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猿沢池 さるさわのいけ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

猿沢池
さるさわのいけ

奈良市の市街地中央部,興福寺の南にある人工池。周囲 360m。かつては興福寺の放生池で,現在も放生会にはフナ,コイが放たれる。池畔ヤナギや興福寺の五重塔が美しい影を映し,コイ,カメなどが多く,俗に魚7分に水3分といわれてきた。奈良時代,天皇の寵愛の衰えたのを嘆いて,池に投身した采女 (うねめ) をまつる采女神社や衣掛 (きぬかけ) 柳が池畔にある。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

猿沢池

殺生を戒めるために興福寺が魚などを放つ放生会(ほうじょうえ)の池として奈良時代に人工的に造られ、帝の寵愛(ちょうあい)を失った采女(うねめ=女官)が入水する際にヤナギに衣を掛けたとの伝説があり、ヤナギが名物。「澄まず濁らず出ず入らず蛙(かえる)はわかず藻は生えず魚が七分に水三分」という七不思議が伝えられる。竜がすむという伝説があり、芥川龍之介が短編小説「龍」の題材にした。

(2013-03-13 朝日新聞 朝刊 2社会)

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デジタル大辞泉の解説

さるさわ‐の‐いけ〔さるさは‐〕【猿沢池】

奈良市三条通り、興福寺南門前にある池。放生池として設けられた。

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百科事典マイペディアの解説

猿沢池【さるさわのいけ】

奈良県奈良市の奈良公園内にある池。周囲360m。《枕草子》に猿沢の池とあるほか,佐努作波とも記される。かつての興福寺の放生池で,池畔に柳が茂り五重塔の影をうつす。

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世界大百科事典 第2版の解説

さるさわいけ【猿沢池】

奈良県奈良市東部の奈良公園,興福寺南側の池。周囲400m足らずの小さな池で,興福寺の放生(ほうじよう)池としてつくられた。興福寺五重塔が水面に映り,奈良を代表する名所の一つである。《大和物語》に平城天皇の寵が衰えたことを嘆いた采女(うねめ)が身を投げたことが記されており,謡曲《采女》の題材ともなっている。池の南東には采女が入水するときに着物を掛けたと伝えられる衣掛柳が,北西には采女社があり,毎年仲秋の名月の夜に池に花扇を浮かべて采女祭が行われる。

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大辞林 第三版の解説

さるさわのいけ【猿沢池】

奈良公園内、興福寺の南にある池。放生ほうじよう池としてつくられたものという。池畔に、この池に入水した采女うねめをまつった采女神社がある。⦅歌枕⦆ 「わぎもこがねくたれ髪を-の五藻とみるぞかなしき/拾遺 哀傷

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

猿沢池
さるさわのいけ

奈良市中央部の奈良公園内の池。三条通り辷坂(すべりざか)南側にあり、周囲約360メートルの小さな池で、興福寺の放生(ほうじょう)池としてインドの(びこう)池に擬してつくられた。池畔のヤナギ、興福寺の五重塔を映した池面などは風情があり、「猿沢池の月」は奈良八景の一つとされた。北西畔に采女(うねめ)神社、東畔に衣掛(きぬかけ)柳がある。『大和(やまと)物語』に平城(へいぜい)天皇に仕えた采女が寵(ちょう)の衰えたのを嘆き、この池に身を投じたとある。9月中秋に采女祭が催される。[菊地一郎]

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