甘茶(読み)アマチャ

デジタル大辞泉 「甘茶」の意味・読み・例文・類語

あま‐ちゃ【甘茶】

ヤマアジサイ変種山地に生え、高さ約70センチ。夏、周囲数個装飾花をもつ花をつける。葉は乾かすと甘みが出るので飲用にする。こあまちゃ。あまくさ。
アマチャまたはアマチャヅルの葉を乾燥させて煎じ出した飲み物。4月8日灌仏会かんぶつえに、甘露になぞらえ釈迦像の頭に注ぎ、また飲む風習がある。 春》「ゆれ合へる―の杓をとりにけり/素十

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精選版 日本国語大辞典 「甘茶」の意味・読み・例文・類語

あま‐ちゃ【甘茶】

  1. 〘 名詞 〙
  2. アマチャ、またはアマチャヅルの葉を乾燥させて作ったあまい茶。夏から秋にかけて新芽をとり、蒸してよくもみ、青汁をとり除いてから乾燥させる。黄褐色甘味が強くかおりがよいので、中古以来、香湯の代用として愛用された。四月八日の灌仏会(かんぶつえ)に、釈迦の像に注ぐ風習がある。甘茶水。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「甘茶一袋引之」(出典:多聞院日記‐天正一七年(1589)一〇月二四日)
    2. 「その中に一人の若衆、甘茶(アマチャ)をのぞみ、多く飲む」(出典:咄本醒睡笑(1628)八)
  3. ユキノシタ科の落葉低木。ヤマアジサイの一変種。高さ一メートル前後。山地に自生するが、長野、奈良、山口などの各県では栽培もされている。あまちゃのき。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
  4. 植物あまちゃづる(甘茶蔓)」の異名
  5. ( 形動 ) やり方、考え方、気持などがあまいこと。てぬるいさま。情にもろいさま。
    1. [初出の実例]「あまちゃあまちゃな・小判でわしを切といな」(出典:雑俳・三国志(1709))
    2. 「マア案じるより産むが安いとあまちゃな母者人」(出典:浄瑠璃・糸桜本町育(1777)四)

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飲み物がわかる辞典 「甘茶」の解説

あまちゃ【甘茶】


ユキノシタ科の落葉低木あまちゃ、またはウリ科の多年草あまちゃづるの葉を乾燥させ、煮出して作る黄褐色の甘い茶。4月8日の灌仏会(かんぶつえ)に、釈迦(しゃか)の像に注ぎかけるならわしがある。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「甘茶」の解説

甘茶 (アマチャ)

学名Hydrangea macrophylla subsp.serrata
植物。ユキノシタ科の落葉低木,園芸植物,薬用植物

甘茶 (アマチャ)

植物。ウリ科のつる性多年草,園芸植物,薬用植物。アマチャズルの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

普及版 字通 「甘茶」の読み・字形・画数・意味

【甘茶】かんちや

あま茶。

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