微生物の働きによって分子レベルまで分解し、二酸化炭素(CO2)と水となって自然界に循環するプラスチック。植物や石油を由来とする原料からつくられる。微生物が活動できる適切な温度や土などの環境が必要。土壌中で分解する製品は既にあるが、海水中で分解するものはほとんどない。強度や加工のしやすさ、コストなどの課題があり普及は進んでいない。
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自然界の微生物によって最終的に炭酸ガスと水に完全に分解される構造をもった樹脂。生分解性プラスチックは、(1)微生物の働きによってつくられるもの、(2)化学合成によるもの、(3)動植物に由来する天然の高分子を利用するもの、に大別される。化学合成系のなかでは、トウモロコシなどの植物からつくられるポリ乳酸を原料とするプラスチックが注目されている。生分解性プラスチックは微生物によって分解されるために、廃棄物処理や環境負荷低減が期待できる。すでに食品包装やごみ袋、シャンプーの容器などで実用化されており、業界では一定の基準を満たす製品に「グリーンプラ識別マーク」を表示している。なお、生分解性プラスチックとは別に、再生可能な有機資源由来の原料から製造するプラスチックを「バイオマスプラスチック」という。
[山本耕平]
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(市村禎二郎 東京工業大学教授 / 2007年)
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生物によって最終的に二酸化炭素と水にまで分解されるプラスチック.ポリエチレンとポリプロピレンの代替として期待されている.水素細菌Alcaligenes eutrophusが生産するヒドロキシブチレートとヒドロキシバリレートのポリマーや,天然高分子(デンプン,ポリカプロラクトン,プルランなど)を加工したもの,さらには微生物が分解できる脂肪族ポリエステルを重合した合成ポリマーなどがある.普及にはまだ価格の壁がある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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