生方たつゑ(読み)ウブカタ タツエ

20世紀日本人名事典 「生方たつゑ」の解説

生方 たつゑ
ウブカタ タツエ

昭和・平成期の歌人



生年
明治38(1905)年2月23日

没年
平成12(2000)年1月18日

出生地
三重県宇治山田市(現・伊勢市)

学歴〔年〕
日本女子大学家政科〔大正15年〕卒

主な受賞名〔年〕
読売文学賞(第9回 詩歌俳句賞)〔昭和32年〕「白い風の中で」,迢空賞(第14回)〔昭和55年〕「野分のやうに」

経歴
日本女子大家政科卒業後、東大哲学科の聴講生とし美学を専攻。のち群馬の旧家へ嫁ぐ。昭和7年頃から作歌を始め、アララギ派今井邦子師事し、10年処女歌集「山花集」を上梓。11年「明日香創刊に参加。戦後は22年「女人短歌」創刊に参加、23年「国民文学」に参加。38年以来「浅紅」を主宰。39年から26年間毎日新聞「毎日歌壇選者、他にサンケイ新聞などの歌壇選者としても活躍し、日本歌人クラブ代表幹事、女人短歌会常任理事などを歴任。作歌、作歌指導のほか、随筆、評論に幅広く活躍した戦後女流歌人の第一人者。61年沼田市の自宅を一部改造し、歌集や蔵書1万冊余からなる短歌専門図書館“生方記念文庫”を設立し、のち同市に運営を移管した。歌集に「山花集」「雪明」「春尽きず」「浅紅」「白い風の中で」「火の系譜」「春禱」「野分のやうに」「生方たつゑ全歌集」ほか、評論に「王朝恋歌」「万葉歌抄」「額田姫王」「細川ガラシャ」「新・短歌作法」など多数。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「生方たつゑ」の意味・わかりやすい解説

生方たつゑ
うぶかたたつえ
(1905―2000)

歌人。三重県宇治山田(伊勢(いせ)市)生まれ。日本女子大学家政科卒業。今井邦子(くにこ)、松村英一に師事。1963年(昭和38)に『浅紅(せんこう)』を主宰。歌集は『山花集』(1926)、『雪の音譜』(1954)、『青粧』(1955)、『白い風の中で』(1957・読売文学賞受賞)、『野分のやうに』(1979・迢空(ちょうくう)賞受賞)などがある。詩性の高い作品が多く、冷たい言語感覚によって、内面感情をとらえた作品は氷の花のように美しい。『毎日新聞』『サンケイ』新聞(現『産経新聞』)などの選を受け持って活躍、日本歌人クラブ幹事を務めた。85年、群馬県沼田市に短歌専門の図書館として生方記念文庫が設立された。

[菱川善夫]

 椎(しひ)のはなあまく苦しき夜なれば痙攣(けいれん)のする目を見るなかれ

『『定本生方たつゑ全歌集』(1979・角川書店)』『『現代短歌集成 生方たつゑ』(1995・沖積舎)』『上田三四二著『現代歌人論 生方たつゑ』(1969・読売新聞社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「生方たつゑ」の意味・わかりやすい解説

生方たつゑ
うぶかたたつえ

[生]1905.2.23. 三重
[没]2000.1.18. 群馬,沼田
歌人。日本女子大学家政科を卒業。結婚して群馬県沼田市に住む。1932年頃から作歌を始め,アララギ派の今井邦子に師事し,1936年に歌誌『明日香』創刊に参加。上州の厳しい風土を感じさせる緊張感に満ちた作品群は「硬質ガラスの叙情」と形容され,歌壇の一線に立った。第2次世界大戦後の 1949年に『女人短歌』の創刊に参加,1963年『浅紅(せんこう)』を創刊,主宰する。産経新聞や毎日新聞などの歌壇選者を務め,日本歌人クラブ代表幹事,現代歌人協会理事などを歴任。作歌指導のほかに随筆,評論にも幅広く活躍した。歌集に『白い風の中で』(1957,読売文学賞),『野分のやうに』(1979,迢空賞),評論に『王朝の恋歌』『万葉歌抄』など著書多数。(→短歌

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「生方たつゑ」の解説

生方たつゑ うぶかた-たつえ

1904-2000 昭和-平成時代の歌人。
明治37年2月23日生まれ。今井邦子に師事し,昭和10年第1歌集「山花集」を刊行。24年「女人短歌」の創刊に参加し,編集委員をつとめる。38年「浅紅(せんこう)」を創刊,主宰。写実から出発し,心象詠に独自の境地をひらいた。33年「白い風の中で」で読売文学賞,55年「野分のやうに」で迢空(ちょうくう)賞。平成12年1月18日死去。95歳。三重県出身。日本女子大卒。旧姓は間宮。

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百科事典マイペディア 「生方たつゑ」の意味・わかりやすい解説

生方たつゑ【うぶかたたつえ】

歌人。三重県生れ。《アララギ》の歌人,今井邦子に師事して,1936年,《明日香》創刊に参加,その後《女人短歌》《国民文学》に参加。1935年の第1歌集《山花集》以後,《浅紅》,《青粧》,《白い風の中で》(1957年。読売文学賞),《野分のやうに》(1970年。迢空賞)など20冊に及ぶ歌集を発表してきている。1963年,歌誌《浅紅》を創刊主宰。

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367日誕生日大事典 「生方たつゑ」の解説

生方 たつゑ (うぶかた たつえ)

生年月日:1905年2月23日
昭和時代;平成時代の歌人
2000年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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