産業気象学(読み)さんぎょうきしょうがく(その他表記)industrial meteorology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「産業気象学」の意味・わかりやすい解説

産業気象学
さんぎょうきしょうがく
industrial meteorology

諸産業と気象および気候との関係を,おもに生産面,設計,災害との関係において究明しようとする応用気象学(応用気象)の一部門。農業工業,交通,建築,水産,生活などの分野がある。農業の分野では農業気象学として独立した部門となっている(→農業気象)。工業の分野では,工程管理,作業能率,工業立地,発電や消費電力などについて調査研究される一方,工場や自動車などからの排出物による局地気温の上昇,降下煤塵スモッグなど大気汚染の増加が問題になっている。交通の分野では,高速道路と風,海上における船舶航行と天気,航空機の経済運航と風の関係などの調査研究が行なわれている。気象災害では,豪雨豪雪暴風,霜,霧,凍土,着氷,海氷などをその対象とし,建築,生活の分野ではより密接で,衣食住,仕事の能率,健康状態などから体感温度の定量化,気象病季節病などについて研究されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「産業気象学」の意味・わかりやすい解説

産業気象学
さんぎょうきしょうがく

諸産業の生産、計画、災害などに気象や気候がどのような影響を与えるかについて考究する応用気象学の一分野。対象となる諸産業としては農業、工業、建設、水産、商業などの分野がある。

根本順吉

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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