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甲賀三郎 こうがさぶろう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

甲賀三郎
こうがさぶろう

信州諏訪明神の縁起物語の主人公として伝えられる伝説上の人物。記録文献として最古のものは南北朝時代の『安居院神道集』に掲載されている「諏訪縁起の事」で,異本が多いため物語の内容にも異同があり,甲賀三郎諏方 (よりかた) と伝える系統本と甲賀三郎兼家と伝える系統本とがある。

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デジタル大辞泉の解説

こうが‐さぶろう〔かふがサブラウ〕【甲賀三郎】

諏訪(すわ)明神の本地として、また近江(おうみ)国水口(みなくち)の大岡寺の観音堂縁起として語り継がれた説話。また、その主人公。

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百科事典マイペディアの解説

甲賀三郎【こうがさぶろう】

諏訪明神(諏訪大社)の縁起を説く語り物の主人公。早くは南北朝時代成立の《神道集》に〈諏訪の本地〉の形で見える。近江国甲賀郡の地頭である甲賀三郎諏方(よりかた)が兄により信濃国蓼科山中の穴に落とされ,地底の国々を遍歴したのち蛇身となって帰郷し,元の姿を取り戻して妻と再会を果たす。
→関連項目推理小説

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朝日日本歴史人物事典の解説

甲賀三郎

信州諏訪明神として祭られた伝説上の人物。中世唱導物の典型である『神道集』の「諏訪縁起」で説かれている。近江国(滋賀県)甲賀郡の出身。その地の地頭で甲賀三郎訪方のこと。妻春日姫を天狗にさらわれたため,そのあとを追いかけるが,2人の兄のはかりごとにより蓼科山の人穴に突き落とされ,地底の国々を遍歴する。地底の国々には,農業を営む村々が多くあり,甲賀三郎は各村でもてなされる。最後に維縵国にたどりついた。そこは毎日,鹿狩りを日課とする狩猟民の村で,維摩姫から手厚く遇されて月日を過ごすが,春日姫のもとに戻る気持ちが高じて,ふたたび地上へ脱出をはかる。その間さまざまの試練に遭遇したが,やっと浅間岳に出ることができた。そして本国の近江国甲賀郡の釈迦堂にきて,自分の姿が蛇身になっていることに気づいて,わが身を恥じ隠れたが,蛇身を逃れる方法として,石菖の植えられている池に入るとよいことを知り,それを試みて元の姿に戻り,春日姫と再会することができた。甲賀三郎は,地上から異界である地底国を訪れた人物であり,地底の人々からみると,地上からやってきた異人とみなされている。ふたたび現世に戻ったときは異界の姿すなわち蛇身となっていたが,その地底国は,あまり地上界とは変わっていない。農業と狩猟が主たる生業となっており,のちに甲賀三郎が,狩猟神と農耕神をかねる諏訪明神の性格を反映しているといえる。

(宮田登)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
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世界大百科事典 第2版の解説

こうがさぶろう【甲賀三郎】

伝説上の人物。諏訪明神の本地を説く語り物の主人公である。南北朝時代に成立した《神道集》所収の〈諏訪縁起の事〉は甲賀三郎譚としてはもっとも古い。それによると,近江国(滋賀県)甲賀郡の地頭,甲賀三郎諏方(よりかた)は,最愛の妻春日姫を伊吹山の天狗に奪われ,66国の山々を探し歩き,信濃国蓼科(たてしな)山の人穴で発見し救出する。しかし三郎は兄の二郎のために穴へ落とされ,73の人穴と地底の国々を遍歴する。最後にたどりついたのは維縵(ゆいまん)国というところで,その国では毎日の日課に鹿狩りをする習俗があり,三郎はそこで好美翁と維摩姫のあたたかいもてなしを受けて日を過ごす。

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大辞林 第三版の解説

こうがさぶろう【甲賀三郎】

諏訪明神の縁起を説く語り物に基づく伝説、およびその主人公。

出典|三省堂
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世界大百科事典内の甲賀三郎の言及

【三人の奪われた王女】より

…この話は,《グリム童話》では91番〈地もぐり一寸法師〉となっており,デンマークでは〈強いハンス〉として伝えられている。日本では,諏訪神社の由来として,〈甲賀三郎〉の話が伝えられている。三男のみが地下へ降りる勇気があり,地下に捕らえられている娘を救出して婚約することなど,強い類似を示している。…

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