姥目樫(読み)ウバメガシ

デジタル大辞泉 「姥目樫」の意味・読み・例文・類語

うばめ‐がし【×姥目×樫/×姥芽×櫧】

ブナ科の常緑小高木。暖地の海岸近くの山中自生。葉は長楕円形で、堅い。5月ごろ、雄花雌花とをつける。実は食用。材は備長炭びんちょうずみ原料。名は、若葉褐色であるところに由来。うまめがし。うばめ。
[類語]赤樫白樫粗樫

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精選版 日本国語大辞典 「姥目樫」の意味・読み・例文・類語

うばめ‐がし【姥目樫・姥芽櫧】

  1. 〘 名詞 〙 ブナ科の常緑小高木。暖地の海岸近くに生える。高さ一〇メートルに達する。葉は互生し、長さ三~六センチメートルの倒卵形または長楕円形で、質厚く、上半部の縁に低鋸歯(ていきょし)がある。雌雄同株。四~五月ごろ、小形の黄褐色の花が咲く。実は翌年の秋に熟し、一、二センチメートルの卵形で、食用。材は堅く、良質の炭になる。うばしば。うばめ。いまめがし。うまめがし。うばめがしわ。〔大和本草批正(1810頃)〕

うまめ‐がし【姥目樫】

  1. 〘 名詞 〙うばめがし(姥目樫)
    1. [初出の実例]「赤茶けた部屋の中にかすかな青みを投げこんだ。それは檐先の馬目樫(ウマメガシ)の葉の茂みのせいだった」(出典足摺岬(1949)〈田宮虎彦〉)

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