百花斉放・百家争鳴(読み)ひゃっかせいほうひゃっかそうめい

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

百花斉放・百家争鳴
ひゃっかせいほうひゃっかそうめい

中華人民共和国における文芸、思想、学術上の政策的スローガン。建国後の社会主義改造の過程で、胡風(こふう)批判などのブルジョア思想批判キャンペーンのために萎縮(いしゅく)していた知識人の活動を積極化させようとして打ち出された。中国文化の花開いた春秋戦国時代の諸子百家の自由な言論活動になぞらえて毛沢東(もうたくとう)が提唱したといわれているが、1956年5月には中国共産党宣伝部長・陸定一が「百花斉放・百家争鳴」と題して講演、知識人の自由な発言を呼びかけた。知識人の反応は当初きわめて消極的であったが、翌57年5月、「言者無罪」(なにを言っても罪にならない)との方針に促されて一斉に発言し始め、中国共産党へのさまざまな批判が続出した。ところが、これらの発言は「右派」分子による反党・反社会主義の「毒草」であるとされ、57年6月、急遽(きゅうきょ)「反右派闘争」が展開された。
 今日でも「百花斉放・百家争鳴」はしばしば唱えられているが、1986年末に民主化運動がふたたび抑えられたように、むなしい政治的スローガンに堕してしまっている。[中嶋嶺雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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