瞻星台(読み)せんせいだい

改訂新版 世界大百科事典 「瞻星台」の意味・わかりやすい解説

瞻星台 (せんせいだい)

韓国,慶尚北道慶州市にある,新羅時代の石築建造物王城のあった半月城北西に位置し,高さ9mあまりの徳利形をした円筒石造物である。中央部に正方形の窓が開かれ,上端には方形石組みがある。善徳女王代(632-647)に瞻星台を築いたという《三国遺事》の記事があり,この石造物がそれにあたると考えられている。天文観測に使用されたとする見方が有力であるが,祭壇説などもあり,定説がない。
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世界の観光地名がわかる事典 「瞻星台」の解説

せんせいだい【瞻星台】

韓国南部のキョンサンプクト(慶尚北道)キョンジュ(慶州)市にある新羅時代の遺跡。7世紀に建てられたと推定され、東洋最古の天文台といわれている。高さ約30cmの花崗岩(かこうがん)を361.5個(陰暦の1年間の日数)積み上げて作った石の塔で、各面はきちんと東西南北を指している。窓から入る陽光の長さをもとに春夏秋冬が区分でき、星座月食を記録し、国家的な重要事項を決定する際に用いられたといわれている。◇「チョムソンデ」とも読む。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「瞻星台」の意味・わかりやすい解説

瞻星台
せんせいだい

朝鮮古代の建造物。慶尚北道慶州にある。高さ9メートル余のとっくり形をした円筒石造物で、中央部に正方形の窓があり、上端は長い切り石を井桁(いげた)に組んでいる。『三国遺事』に伝わる善徳女王代(在位632~647)に築いた瞻星台がこれであると考えられている。新羅(しらぎ)の王城であった月城の北西に立ち、そこは官衙(かんが)街と推定されていることもあって、一般には天文観測に用いたとする見解が有力であるが異説もある。

[李 成 市]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「瞻星台」の意味・わかりやすい解説

瞻星台
せんせいだい
Ch'ǒm sǒng dae

朝鮮,新羅の古都,慶州の月城址付近にある花崗岩を層状に積んだ遺構。中央部の南西に方形容状の切り口が開かれており,上部には方形2重の大石を置いてある。古来この遺構は,新羅の善徳女王 (在位 632~647) 時代に建造されたと文献にみえるもので,天文観測のためとする解釈が一般的であるが,なお用途については疑問も提出されている。

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世界大百科事典(旧版)内の瞻星台の言及

【天文台】より

…ジャイプールやデリーには,石造の巨大な観測器群を配置した天文台の遺構が当時の姿をとどめている。 朝鮮では釜山の北の慶州に,直径が基礎部で約5m,高さ10mあまりの塔の形に石を積み上げた瞻星台(せんせいだい)が残っているが,これは新羅の善徳女王の代に建立された天文台だといわれる。 さて日本では,《日本書紀》の天武天皇3年(674)の条項に,占星台を作るという記述がある。…

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