矢掛(読み)やかげ

改訂新版 世界大百科事典 「矢掛」の意味・わかりやすい解説

矢掛[町] (やかげ)

岡山県南西部,小田郡の町。人口1万5092(2010)。高梁(たかはし)川の支流小田川中流域に位置する。北部と南部は吉備高原山地が占め,中央部は地溝帯の低地で,小田川が東流し,川沿いに平野が開ける。小田川と美山川の合流点にある中心集落の矢掛は山陽道の旧宿場町で,本陣脇本陣(ともに重要文化財)が現存し,切妻造の商家が多い。交通の要地でもあり,小田川には河港があった。町域西端の小田は間の宿で,小田川の高瀬舟遡航の上限であった。米作,野菜栽培を中心とした農業が基幹産業であるが,大部分が兼業農家で規模は小さい。特産にマツタケ,そうめんがある。井原鉄道線が通り,吉備真備きびのまきび)ゆかりの下道(しもつみち)氏の墓(史)がある。美山川上流の鬼ヶ岳(名)や南部の遥照山,竹林寺山は観光地で,竹林寺山東峰に東京大学岡山天体物理観測所(現在は国立天文台の観測所)がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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