知恵の輪(読み)ちえのわ

日本大百科全書(ニッポニカ)「知恵の輪」の解説

知恵の輪
ちえのわ

いろいろの形のを抜いたり、また入れたりして遊ぶ玩具(がんぐ)。江戸時代、日本に漂着した中国人によって伝えられた九連環(きゅうれんかん)が始まりという。これは金属製の九つの輪を組み合わせたもので、これを組み立て、または抜き差しして遊んだ。最初は玉(ぎょく)でつくられたが、銅か鉄製となり、婦人、子供の玩具として一般化した。なお1820年(文政3)長崎の清(しん)国人により、この九連環を主題にした歌が流行し、「看々(かんかん)踊」として大坂で興行された。また明和(めいわ)年間(1764~72)には、江戸に参府したオランダ商館長が出した知恵の輪を、平賀源内が難なく解いて驚かしたエピソードもある。天保(てんぽう)(1830~44)のころには智恵(ちえ)の糸が流行した。横棒に二つの糸の輪をつくり、それぞれの輪についている人形を片方の糸に通わすものである。明治時代には、この原理を応用して、鉄棒体操している人形を鉄棒から抜き出す体操人形抜きなどが登場した。大正のころから「知恵の輪」の名で金属製のものが出回るようになった。現在も「頭の体操」的な玩具として人気がある。なかにはガラス製の破損しやすいものをたねに、大道で客をつる「ちえの輪屋」といういかさま商売もみかける。

[斎藤良輔]

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精選版 日本国語大辞典「知恵の輪」の解説

ちえ【知恵】 の 輪(わ)

① 玩具の一種。金属で作った種々の形の輪を集めて、つなぎ合わせたり解き離したりなどして遊ぶもの。
※俳諧・大坂独吟集(1675)上「道場に置二十八算 知恵の輪や四条通にぬけぬらん〈西鶴〉」
② 紋所の名。九つの輪ちがいの模様のもの。①に似るところからいう。
※浄瑠璃・女殺油地獄(1721)上「揃羽織(そろひばをり)の濃柿(こいがき)にちゑのわの大紋」
文殊菩薩をまつった寺院にある円形の輪。これをくぐれば知恵を授かるという俗信がある。

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百科事典マイペディア「知恵の輪」の解説

知恵の輪【ちえのわ】

パズル玩具(がんぐ)の一種。種々の形状の輪をつないだり,はずしたりする遊びで,多くは解き方が一通りしかなく,それを考えるのが楽しみ。起源は不明だが,英国ではチャイニーズリングchinese ringと呼ばれており,東洋起源のものと思われる。中国では9個の輪からなる九連環が存在し,17世紀後半に日本に伝来した。

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デジタル大辞泉「知恵の輪」の解説

ちえ‐の‐わ〔チヱ‐〕【知恵の輪】

玩具の一。いろいろな形の金属の輪を組み合わせたり、解いたりして遊ぶもの。
紋所の名。九つの輪ちがいの模様。
文殊菩薩(もんじゅぼさつ)をまつった寺院にある円形の石の輪。くぐると知恵を授かるという。

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世界大百科事典 第2版「知恵の輪」の解説

ちえのわ【知恵の輪】

輪と輪が絡み合ったり,輪と他のものとが絡み合っている玩具で,その輪をうまく外して遊ぶ。これだけで1冊の本になるほど種類が多いが,歴史的にみて最も代表的な知恵の輪はチャイニーズ・リングである。これは細長い板にのついた輪が数個はめ込まれており,輪にさおが通っている。このさおを輪から外す遊びである。中国には輪が9個の九連環というチャイニーズ・リングがあった。劉向(りゆうきよう)(前77‐前6)の著した《戦国策》の中に出てくる玉連環がこの九連環だといわれる。

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