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短甲 たんこう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

短甲
たんこう

上古時代の古墳出土の鎧に,鉄板状横板金や三角形板金,あるいは縦長板金を上下にはぎ合せ,鋲留めもしくは革綴りにして形成したものがあり,『東大寺献物帳』や『延喜式』に記載の「短甲」の名称と符合するところからこう呼ばれている。

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デジタル大辞泉の解説

たん‐こう〔‐カフ〕【短甲】

古代に使用された鎧(よろい)の一種。鉄板を鋲(びょう)で留めたり、革紐(かわひも)でとじたりして胴部を覆ったもの。胴丸(どうまる)などより丈が短い。

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百科事典マイペディアの解説

短甲【たんこう】

挂甲(けいこう)とともに古墳時代から平安時代まで用いられたよろい。鉄または金銅の板金をはぎ合わせ,鋲(びょう)どめまたは革綴(かわとじ)にしたもので,胸から腰をおおう。
→関連項目甲冑挂甲

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世界大百科事典 第2版の解説

たんこう【短甲】

〈よろい〉の形式名。756年(天平勝宝8)の《東大寺献物帳》に短甲と挂甲(けいこう)とを区別した記載がある。古墳出土の〈よろい〉にも2種があるので,一方を挂甲とし,他方を短甲と呼ぶことになった。その短甲は,後胴は広く高く肩を覆うが,前胴は狭く低くて肩に達せず,下端は腰の上部に届く程度の,短い胴甲である。すべて前胴の中央部が縦に分かれて,少し重なる。左右の前胴を後胴に連続して組み立てた胴一連の構造と,右前胴を分離して組み立てた右脇開きの構造とが多いが,まれに左前胴も分離した両脇開きの構造のものもある。

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大辞林 第三版の解説

たんこう【短甲】

古墳時代から奈良時代にかけて使われた鎧よろい。鉄板を革紐や鋲びようで綴じて作ったもので、胴体をおおうだけの丈の短いもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

短甲
たんこう

(よろい)の一種。腰の上部から上、前は胸まで、後ろは肩までを覆う防御具で、前の中央であわせ、前後に取り付けた布などを肩の上で結んで支える。日本では現在のところ、弥生(やよい)時代後期の木製漆塗(うるしぬり)短甲がもっとも古い。古墳時代にも、革や植物繊維を素材とし、それに漆を塗った短甲がある。しかし、現存する短甲は、まれに金銅装(こんどうそう)の例がみられるほかは、ほとんどが鉄製で、なかには黒漆を塗っていたことがわかるものもある。短甲の主要部を構成する鉄板の形は、長方形、三角形などから幅の広い横長の鉄板へと変化する。また、鉄板をつなぐにあたり、初めは革紐(かわひも)でとじていたが、5世紀中葉以降には鉄鋲(てつびょう)で留めるようになる。短甲は、冑(かぶと)のほかに、付属具として、頸鎧(あかべよろい)、肩鎧、籠手(こて)、草摺(くさずり)、臑当(すねあて)などがあり、主として歩兵用の武具であった。4世紀代の古墳からも出土するが、盛行するのは5世紀代で、6世紀以降は挂甲(けいこう)にとってかわられた。なお、埴輪(はにわ)や石製模造品などに短甲をかたどったものがあるが、武人埴輪で、短甲を着装している例は少ない。[小林謙一]

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世界大百科事典内の短甲の言及

【甲冑】より


【日本】
 日本の場合,古墳時代の遺存例の大半は,鉄製甲冑であるが,まれに,鉄地金銅張り製,金銅製のものがある。また,弥生時代後期には木製短甲,古墳時代においても革製甲冑が確認されている。さらに,諸民族の例にみられた樹皮や皮革などでつくった胴甲の存在も考えれば,遺存しにくい有機質の甲冑が普及していた可能性を否定することはできない。…

【冑∥兜】より

…頭にかぶる鉄製の武具。古墳から出土する甲(よろい)には短甲挂甲(けいこう)の2種があり,冑にも衝角付冑(しようかくつきかぶと)と眉庇付冑(まびさしつきかぶと)の二つがある。形の上で衝角付冑は短甲に,眉庇付冑は挂甲に属するものと思われる。…

【金属工芸】より

…鉄器も弥生時代以降日本で生産されたが,古墳時代に入って甲冑や刀剣,馬具が盛んに作られた。とくに短甲は鉄板を打ち出して曲面を作り,これらを何枚も組み合わせ,鋲留めまたは革綴じしたもので,進んだ鍛造技術を示している。
[飛鳥・奈良時代]
 飛鳥時代は百済から仏教が渡来するとともに工人も来朝し,造寺,造仏が盛んに行われた。…

【古墳文化】より

…各方面にわたる鉄器の製作は,すべて前代からの鍛造の方法により,鋳鉄の技術はまだ知られなかった。しかし,鍛鉄の技術の進歩は著しく,長大な直刀の製作に応じえたほか,複雑な曲面をもった鉄板を集めて,短甲を組み立てることもできたのである。ただ,短甲の鉄板のつづりあわせには,すべて革紐を用いていて,鋲留めの手法は前期には現れていない。…

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