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神武会 じんむかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

神武会
じんむかい

「じんぶかい」とも呼ばれる。 1932年2月に国家主義者の大川周明が組織した右翼政治結社。陸軍中将菊池武夫,関西の実業家石原広一郎南満州鉄道理事河本大作らが参加,大川はみずから会頭に就任した。会は,神武天皇の精神の宣揚,神聖なる国体の護持を掲げて大アジア主義を唱え,行地社の機関紙であった『日本』を継承して国家主義運動の宣伝に努めた。政治的主張としては,有色人種の解放および指導,政党政治の打破,資本主義経済の搾取の排除と皇国的経済組織の実現を唱え,右翼的革新を目指した。しかしながら結成後まもなく,五・一五事件で大川が幇助罪に問われ,禁錮刑で投獄されたため活動は低調となった。 34年恩赦で出獄した大川は,翌年2月全国代表者会議を招集して解散を宣言し,会員は分解した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

神武会
じんむかい

1932年(昭和7)大川周明(しゅうめい)を中心に創立された国家主義団体。大川は猶存社(ゆうぞんしゃ)解散後、25年(大正14)に行地社(こうちしゃ)を創立したが、この間陸軍首脳部との関係を深め、31年軍部独裁政権を目ざすクーデターである三月事件、十月事件を首謀。未遂に終わると、翌年2月11日石原産業社長石原広一郎の資金援助を得て、行地社を改組し神武会をつくった。大川はこの会を「国家改造の第一歩、国民運動の発酵素たらん」とし、「主義」のなかに「有色人種の解放および指導」を、「綱領」のなかに「政党政治の陋習(ろうしゅう)の打破・資本主義経済の搾取の排除・全国民生活の安定」を掲げた。満州事変直後の時流にのり、豊かな資金をバックに、大日本生産党有志や全日本愛国者共同闘争協議会の大部分を糾合、会員3万人と誇示、全国56か所で演説会を開催するなど盛大な出発をした。しかし、創立の3か月後に五・一五事件が起こり、大川会頭が逮捕されると運動は振るわなくなり、35年2月11日、全国代表者会議で解散を宣言した。[大野達三]
『木下半治著『日本右翼の研究』(1977・現代評論社) ▽大川周明全集刊行会編『大川周明全集』(1961・岩崎書店)』

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世界大百科事典内の神武会の言及

【大川周明】より

…31年,陸軍桜会によるクーデタ計画,三月事件に関与。翌32年2月,神武会を組織し,軍部と結びついた大衆的ファシズム運動を目ざす。五・一五事件に連座して反乱罪により禁錮5年に処せらる。…

【行地社】より

…この結果,板垣征四郎,橋本欣五郎,花谷正らが講演や寄稿の形で参加したり,多くの青年将校が《日本》の読者となるなど,陸軍内に一定の思想的影響力をもつことができた。31年の全日本愛国者共同闘争協議会の結成に狩野が積極的な役割を果たしたりしたが,32年大川が神武会を新たに結成したのに伴い解消した。【桂川 光正】。…

※「神武会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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