福智(読み)ふくち

精選版 日本国語大辞典 「福智」の意味・読み・例文・類語

ふく‐ち【福智】

  1. 〘 名詞 〙 仏語福徳智慧菩薩が積む自利・利他の善行による福徳と、悟りのための智慧。
    1. [初出の実例]「光明眷属福智(フクチ)等来り会する」(出典雑談集(1305)九)

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改訂新版 世界大百科事典 「福智」の意味・わかりやすい解説

福智[町] (ふくち)

福岡県北部,田川郡の町。2006年3月赤池(あかいけ),金田(かなだ),方城(ほうじよう)の3町が合体して成立した。人口2万4714(2010)。

福智町北西部の旧町。田川郡所属。人口9592(2005)。北東部は福智山,鷹取山を境に直方市,北九州市に接する。東部は山地,その他は丘陵が広く分布し,丘陵の中央部を遠賀(おんが)川支流の彦山(ひこさん)川が北西流する。1885年の明治炭鉱開発以来,炭鉱町として急速に発展した。遠賀川が舟運に利用されていた時代には,中元寺川の合流点にあたるため多数の川舟が集まって活況を呈した。しかし,1955年以後の石炭合理化政策により,経済の基盤であった赤池鉱が縮小・閉山に追い込まれ,人口の急減をみた。その後は農業と工業団地造成による製造業の振興が行われている。上野峡のある北東部の山地は北九州国定公園に含まれ,山麓には禅寺興国寺がある。上野焼(あがのやき)の産地で,平成筑豊鉄道が通る。

福智町南部の旧町。田川郡所属。人口8011(2005)。遠賀川上流域,中元寺川と彦山川の合流点にあり,西部に低い丘陵が分布する。明治中期以降,多数の炭鉱が開発されて発展し,石炭輸送の要衝としても活況を呈したが,第2次世界大戦後の石炭不況により全炭鉱が閉山し,失業者が急増,鉱害問題も起こり,大きな打撃を受けた。その後,鉱害復旧による農業基盤の整備,工業団地造成・企業誘致を進め,石炭に代わる経済基盤の形成に努めている。10月に行われる稲荷神社の祭礼は,中世以来の形式を多くとどめる。平成筑豊鉄道が通じる。

福智町東部の旧町。田川郡所属。人口7940(2005)。東部は福智山地の西斜面に位置し,南西部には古第三紀層からなる丘陵が広がり,南西境を遠賀川支流の彦山川が北西流する。伊方(いかた)などの集落は丘陵部に散在する。明治中期に三菱方城炭鉱が開かれ,以後炭鉱町として急激に発展したが,1964年に石炭合理化政策によりすべて閉山し,人口は半減した。閉山以後は工業団地が造成され,弱電,繊維などの工場が立地している。定禅(じようぜん)寺には樹齢500年というフジの老木があり,藤寺ともよばれ,花期には訪れる人が多い。また福智山山麓の岩屋権現には大岩に刻まれた梵字曼陀羅がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「福智」の意味・わかりやすい解説

福智(町)
ふくち

福岡県中北部、田川郡にある町。2006年(平成18)、田川郡金田町(かなだまち)、赤池町方城町(ほうじょうまち)が合併して成立。町名は北部にそびえる福智山に由来し、一般公募による。町域を中元寺(ちゅうがんじ)川などを合わせた彦山川(ひこさんがわ)が貫流し、流域に沃土が広がる。彦山川の左岸沿いに平成筑豊鉄道伊田線(へいせいちくほうてつどういたせん)が南北に走り、金田駅で糸田線(いとだせん)が分かれる。石炭採掘の歴史が古く、19世紀中頃には小倉藩が赤池に石炭会所を設けていた。明治中期以降、赤池炭鉱をはじめ、金田炭鉱、方城炭鉱などが開発されて発展したが、1950~1960年代にすべて閉山。一時人口流出が目だったが、工業団地やニュータウンの造成により回復。北九州市への通勤圏内にある。米作のほか、ブランドの赤池梨やイチゴ、イチジクなどの果樹、蔬菜(そさい)栽培が盛ん。標高901メートルの福智山山頂一帯は北九州国定公園に指定される。南西麓にあたる上野峡(あがのきょう)の一帯には、白糸ノ滝、樹齢600年を超えるエドヒガン「虎尾桜」などの見所があり、近くには小倉藩御用窯の伝統をもつ上野焼(国の伝統的工芸品)の窯元が点在。『かもめの水平さん』などで知られる童謡作曲家河村光陽(かわむらこうよう)の出身地。藤寺(ふじでら)ともよばれる定禅寺(じょうぜんじ)境内には樹齢500年以上といわれるフジの巨木「迎接(こうじょう)の藤」があり、県指定天然記念物。面積42.06平方キロメートル、人口2万1398(2020)。

[編集部]


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百科事典マイペディア 「福智」の意味・わかりやすい解説

福智[町]【ふくち】

福岡県北部に位置する田川郡の町。2006年3月,田川郡金田町,赤池町,方城町が合併し町制。JR筑豊本線が通じる。42.06km2。2万4714人(2010)。

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