白糸の滝(読み)シライトノタキ

デジタル大辞泉 「白糸の滝」の意味・読み・例文・類語

しらいと‐の‐たき【白糸の滝】

山形県最上郡戸沢村の、最上川峡谷にある滝。
長野県北佐久郡軽井沢町、浅間山東麓の湯川にある滝。
静岡県富士宮市、富士川支流の芝川にかかる滝。高さ約26メートル、幅約130メートル。名勝・天然記念物。平成25年(2013)「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の一つとして世界遺産に登録された。→富士山

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「白糸の滝」の解説

白糸の滝
しらいとのたき

島牧村の西部、白糸岬の近くにある滝。「狄蜂起集書」に「白糸の滝 川 狄有」とみえる。「東海参譚」では「山の半腹よりなかれ出、百丈の素練を引が如く、中に咽て落、中流は二水と成て落、左の方は三流と成て落、是夷地第一の勝望也」という(文化三年四月一日条)。「蝦夷日誌」(二編)によれば、霊神がおり、「此処に至れば夷人船中より木幣を一本取出し、小なる器に酒を少し入、帆を卸しかける真似をして木幣を海に納め、酒を以てしばし捧げ居て是また海に納め、しばし口唱して過ること也」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「白糸の滝」の意味・わかりやすい解説

白糸ノ滝
しらいとのたき

静岡県富士宮市、富士山西麓(せいろく)にある滝。富士川の支流芝川にかかり、幅約150メートル。高さ約20メートルの壁面すだれのように落下する景観は特異であり、国の名勝・天然記念物に指定されている。水源は富士火山の伏流水湧水(ゆうすい)と芝川の伏流水からなるといわれる。隣接して東側には音止ノ滝(おとどめのたき)がある。富士宮道路(国道139号)が通り、富士周遊観光ルートの拠点でもあり、北方には朝霧(あさぎり)高原が広がる。2013年(平成25)に白糸ノ滝は富士山域や周辺の神社、忍野八海(おしのはっかい)等の構成資産とともに「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産リストに登録された。

北川光雄]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「白糸の滝」の意味・わかりやすい解説

白糸ノ滝 (しらいとのたき)

静岡県富士宮市にある滝。富士山西麓の猪之頭湧泉に水源をもつ芝川にかかる滝で,基盤となる古富士泥流層とその上にのる新富士溶岩との境界や新富士溶岩の間などから湧水し,幅約130m,高さ約25mの垂直壁の上部から白い糸をたらしたように落下する。国の名勝・天然記念物。南東方にはこれと対照的に豪壮に落下し,曾我兄弟の故事にちなむ音止(おとどめ)ノ滝(高さ25m)もある。東名高速道路富士インターチェンジから有料道路の富士宮道路(1995年無料開放)が通じ,富士山周遊観光の拠点となっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白糸の滝」の意味・わかりやすい解説

白糸の滝
しらいとのたき

静岡県北東部,富士山南西麓にある滝。富士宮市北部,富士川の支流芝川上流部の分流にあり日本を代表する名瀑。高さ 26m,幅 130m。その様子が,白糸のすだれのように見えることが呼称の由来。国の名勝および天然記念物に指定され,付近には曾我兄弟仇討ちにまつわる伝説をもった音止の滝などがある。富士箱根伊豆国立公園に属する。2013年世界遺産文化遺産に登録。

白糸ノ滝
しらいとノたき

長野県東部,浅間山の東方山麓にある滝。千曲川の支流湯川の源流の1つ。標高約 1300m。高さはわずか 3mほどであるが,幅は約 70mあり,数百条の水流が落ちている。軽井沢町北部にあって上信越高原国立公園に属する。付近を白糸ハイランドウェイが通る。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「白糸の滝」の意味・わかりやすい解説

白糸ノ滝【しらいとのたき】

静岡県富士宮市の北部,富士山西麓の滝(名勝・天然記念物)。芝川上流にかかり,高さ約26m,幅約130m。新しい富士山の溶岩層と下層の古富士泥流層の間の豊富な伏流水が断崖の途中に吹き出し,白糸をたらしたように見える。身延線富士宮駅からバス。2013年,富士山の構成資産として世界文化遺産に登録。
→関連項目富士山富士宮[市]

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「白糸の滝」の解説

白糸の滝〔静岡県〕

静岡県富士宮市にある滝。富士川支流の芝川にかかる。古くは富士講信者の巡礼・修行地。幅150メートルの湾曲した絶壁から大小の滝が絹糸を垂らしたように流れ落ちる優美な姿で知られ、1936年、国の名勝かつ天然記念物に指定。1990年、音止(おとどめ)の滝とあわせ、日本の滝100選に選定された。2013年には「富士山 信仰の対象と芸術の源泉」の一部として世界遺産に登録。

白糸の滝〔山形県〕

山形県最上郡戸沢村の最上峡にある滝。最上四十八滝最大の滝で、落差120メートル。「義経記」「おくのほそ道」などの古典文学にも多く登場する名瀑。1990年、日本の滝100選に選定された。

白糸の滝〔栃木県〕

栃木県日光市の滝尾神社付近にある滝。落差10メートル。かつては修験道の修行地だったと伝えられる。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

事典 日本の地域遺産 「白糸の滝」の解説

白糸の滝

(静岡県富士宮市原上井出)
美しき日本―いちどは訪れたい日本の観光遺産」指定の地域遺産。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報

事典・日本の観光資源 「白糸の滝」の解説

白糸の滝

(長野県北佐久郡軽井沢町)
信州の渓谷・滝百選」指定の観光名所。

白糸の滝

(福岡県前原市)
福岡県文化百選 名勝・景観編」指定の観光名所。

白糸の滝

(山梨県北都留郡小菅村)
ふるさとの水辺百選」指定の観光名所。

白糸の滝

(島根県鹿足郡津和野町)
島根の名水百選」指定の観光名所。

白糸の滝

(山形県最上郡戸沢村)
日本の滝百選」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android