デジタル大辞泉
「福禄寿」の意味・読み・例文・類語
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ふくろく‐じゅ【福祿寿】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 福と祿と寿命。
- [ 2 ] 七福神の一つ。背が低く、長頭で長いひげをもち、杖に経巻を結び、鶴を伴っている像。幸福・封祿・長寿の三徳をそなえて描いたものといい、また、中国宋の嘉祐(一〇五六‐六四)中の道士天南星の化身であるとも南極星の化身ともいう。日本で七福神の一つに加えられたのは室町時代以後。福祿人。
- [初出の実例]「話次及福祿寿之事」(出典:臥雲日件録‐宝徳三年(1451)四月二四日)
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福禄寿
ふくろくじゅ
七福神の一つ。福禄人ともいう。幸福と封禄と長寿を兼ね備えるという中国の福神。短身長頭で経巻を結んだ杖(つえ)を持つ姿に表現される。南極星の化身という説もあり、また寿老人と混同されることもままある。日本に導入されたのは、おもに禅宗の流布と関連する水墨画の題材としてであり、やがて七福神の一つに数えられるに至ったが、独自の福神としては一般の信仰対象にならなかった。
[竹内利美]
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福禄寿 (ふくろくじゅ)
道教で強く希求される三つのもの,すなわち幸福と富貴と長寿。中国では,鶴と鹿と桃を伴うことによって福・禄・寿を象徴する三体一組の神像や,こうもりと鹿と松によって福・禄・寿を具象化した一幅の絵などが作られ広く用いられた。また,長頭短身で杖をつき鶴を伴った福禄寿という神も考え出された。この福禄寿は南極星の化身ともいわれ,また,寿老人と同一視される場合もあり,日本では七福神の一つに数えられている。
執筆者:砂山 稔
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福禄寿【ふくろくじゅ】
七福神の一つ。長頭短身鬚髯(しゅぜん)の老人で,つえに経巻を結び鶴を伴う。道教では幸福・富貴・長寿を表し,南極星の化身とされる。寿老人は同体異名の神。
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ふくろくじゅ【福禄寿】
秋田の日本酒。酒名は、福徳の神福禄寿にあやかり、長命への願いを込めて命名。大吟醸酒は精米歩合40%で仕込む。ほかに本醸造酒「上撰」がある。平成23、24年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は山田錦など。仕込み水は自家井戸水。蔵元の「福禄寿酒造」は元禄元年(1688)創業。所在地は南秋田郡五城目町字下タ町。
出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報
福禄寿
ふくろくじゅ
七福神の一神。短身,長頭でひげが多く,杖に経巻を結びつけて,多くは白鶴を連れている姿で描かれる。福,禄,寿の3徳をそなえるともいわれる。中国では北宋の嘉祐年間 (1056~63) に現れた道士とも,南極老人星の化身ともいわれる。
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福禄寿 ふくろくじゅ
七福神の一神。
福・禄・寿をさずける神。短身,長頭で,ひげをはやし,経巻をむすんだ杖をもち,鶴をつれた姿であらわされる。中国の道教に由来し,寿老人とともに南極星の化身とされ,両神は混同されることがある。福禄人ともいう。
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福禄寿
秋田県、福禄寿酒造株式会社の製造する日本酒。大吟醸酒、純米吟醸酒、上撰(本醸造)などがある。全国新酒鑑評会で金賞の受賞歴がある。
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福禄寿 (フクロクジュ)
学名:Prunus lannesiana
植物。バラ科の落葉高木
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世界大百科事典(旧版)内の福禄寿の言及
【サクラ(桜)】より
…御車返し(みくるまがえし)は一重の花と旗弁をもった6~8枚の花弁がある花が,同じ木に混じって咲くので〈八重一重〉ともいわれている。法輪寺や福禄寿,楊貴妃(ようきひ)などは花弁が15~20枚ある淡紅色大輪の花が咲く。公園によく植栽されている関山(かんざん)や普賢象(ふげんぞう)には花弁が30枚内外ある大きな花が咲き,これらの花を塩漬にしたものは桜湯に使われている。…
【七福神】より
…福徳をもたらす神として信仰される7神。[えびす](夷,恵比須),[大黒天],[毘沙門天](びしやもんてん),[布袋](ほてい),[福禄寿],寿老人,[弁才天]の7神をいうが,近世には福禄寿と寿老人が同一神とされ,吉祥天もしくは猩々(しようじよう)が加えられていたこともある。福徳授与の信仰は,狂言の《夷大黒》《夷毘沙門》などにもみられ,室町時代にはすでに都市や商業の発展にともなって広まっていたものと思われる。…
【ツァガンエブゲン】より
…チャガンエブゲンともいう。この福神は中国や日本の寿老人(福禄寿)と同じもので,外形もよく類似し,白いあごひげを蓄えた長頭・肥満体の老人が白衣をまとい,長い杖を手にした姿をしている。モンゴル族の間でも福と禄と寿命をつかさどる神とみなされたことに変りがないが,とりわけ家畜の守護神として崇拝された。…
※「福禄寿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」