道教で強く希求される三つのもの,すなわち幸福と富貴と長寿。中国では,鶴と鹿と桃を伴うことによって福・禄・寿を象徴する三体一組の神像や,こうもりと鹿と松によって福・禄・寿を具象化した一幅の絵などが作られ広く用いられた。また,長頭短身で杖をつき鶴を伴った福禄寿という神も考え出された。この福禄寿は南極星の化身ともいわれ,また,寿老人と同一視される場合もあり,日本では七福神の一つに数えられている。
執筆者:砂山 稔
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…御車返し(みくるまがえし)は一重の花と旗弁をもった6~8枚の花弁がある花が,同じ木に混じって咲くので〈八重一重〉ともいわれている。法輪寺や福禄寿,楊貴妃(ようきひ)などは花弁が15~20枚ある淡紅色大輪の花が咲く。公園によく植栽されている関山(かんざん)や普賢象(ふげんぞう)には花弁が30枚内外ある大きな花が咲き,これらの花を塩漬にしたものは桜湯に使われている。…
…福徳をもたらす神として信仰される7神。えびす(夷,恵比須),大黒天,毘沙門天(びしやもんてん),布袋(ほてい),福禄寿,寿老人,弁才天の7神をいうが,近世には福禄寿と寿老人が同一神とされ,吉祥天もしくは猩々(しようじよう)が加えられていたこともある。福徳授与の信仰は,狂言の《夷大黒》《夷毘沙門》などにもみられ,室町時代にはすでに都市や商業の発展にともなって広まっていたものと思われる。…
…チャガンエブゲンともいう。この福神は中国や日本の寿老人(福禄寿)と同じもので,外形もよく類似し,白いあごひげを蓄えた長頭・肥満体の老人が白衣をまとい,長い杖を手にした姿をしている。モンゴル族の間でも福と禄と寿命をつかさどる神とみなされたことに変りがないが,とりわけ家畜の守護神として崇拝された。…
※「福禄寿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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