(読み)シュウ

デジタル大辞泉 「秀」の意味・読み・例文・類語

しゅう【秀】[漢字項目]

常用漢字] [音]シュウ(シウ)(漢) [訓]ひいでる ほ
他より抜きん出る。ひときわすぐれる。「秀逸秀才秀作秀抜閨秀けいしゅう俊秀優秀
[名のり]さかえ・しげる・すえ・ひいず・ひで・ひでし・ほず・ほら・みつ・みのる・よし

ほ【秀】

《「」と同語源》
外形人目につきやすく突き出ていること。また、そのもの。「杉の
「見渡せば明石の浦にともす火の―にそ出でぬる妹に恋ふらく」〈・三二六〉
内容が他よりすぐれていること。また、そのもの。
百千足ももちだ家庭やにはも見ゆ国の―も見ゆ」〈・中・歌謡

しゅう〔シウ〕【秀】

すぐれていること。また、その人。
成績などの段階を示す語。最もすぐれていることを表す。「・優・良・可」

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精選版 日本国語大辞典 「秀」の意味・読み・例文・類語

ほ【秀】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ほ(穂)」と同語源 ) 高くひいでているもの。外形的に、他のものに比べて高くとび出していて目につくようなものをいうとともに、内容的にすぐれたものをいうこともある。単独で使われる場合も、「…の」という連体修飾語をうけることが多く、また、助詞「つ」を伴って、「ほつ鷹(たか)」「ほつ手(て)」「ほつ真国(まくに)」などのように連体修飾語になることも多い。さらに、「岩ほ」「垣ほ」「ほ倉」などのように熟して用いる。
    1. [初出の実例]「千葉の 葛野(かづの)を見れば 百千足(ももちだ)家庭(やには)も見ゆ 国の富(ホ)も見ゆ」(出典古事記(712)中・歌謡)

しゅうシウ【秀】

  1. 〘 名詞 〙
  2. すぐれていること。ひいでること。また、その人。優秀。
    1. [初出の実例]「春松の操あり、秋菊の秀ある、即是なるのみなり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)谿声山色)
    2. [その他の文献]〔晉書‐王導伝〕
  3. 評価等級に用いて、優秀なものをいう。
  4. 植物の穂をいう。

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普及版 字通 「秀」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

[字音] シュウ(シウ)
[字訓] ひいでる・はなさく・はな

[説文解字]
[その他]

[字形] 象形
禾穀(かこく)の穂が垂れて、花が咲く形。禾頭から華を吐いている形である。〔説文〕七上に「上(しゃう)の(いみな)なり」として、説解を加えていない。後漢の光武帝の名は劉秀、その(いみな)を避けたのである。〔玉〕に「出なり、榮なり」と訓する。「出なり」とは近い声を以て訓したものであろう。〔段注〕に字を禾と人とに従い、人(じん)とは果穀の実をいうとするが、人の形のところはしべのあらわれている形。その落ちたものを禿(とく)という。花英の意より、俊秀の意に用いる。

[訓義]
1. ひいでる、禾の先が高く出てそこに花をつける。
2. はなさく、はな。
3. うつくしい、しげる。
4. 人に移して、すぐれた人。

[古辞書の訓]
名義抄〕秀 ヒヅ・コトニ・コトコトシ・ナガシ 〔字鏡集〕秀 ヒデ・ヒヅ・クツ・コトニ・ナガシ・コトゴトシ・オドロク・サカエ・ヨシ・ヨリ

[声系]
〔説文〕に秀声として(ゆう)を収める。は稷(しよく)に似た雑草。また醜と通用する字である。

[語系]
秀siuは首・手sjiuと声が近く、みな先端に位置し、また重要なはたらきをするもの。出thjiutは、その勢いのあるような状態をいうものであろう。

[熟語]
秀異・秀偉・秀逸・秀穎・秀英・秀越・秀雅・秀・秀格・秀気・秀驥・秀句・秀慧・秀勁・秀傑・秀潔・秀彦・秀悟・秀甲・秀骨・秀才・秀削・秀耳・秀峙・秀質・秀出・秀俊・秀潤・秀聳・秀色・秀岑・秀人・秀粋秀世・秀整・秀絶・秀爽・秀達・秀竹・秀頂・秀挺・秀徹・秀・秀特・秀膊・秀麦・秀発・秀抜・秀媚・秀眉・秀敏・秀峯・秀木・秀妙・秀茂・秀毛・秀立・秀良・秀・秀麗・秀令・秀霊・秀嶺・秀朗
[下接語]
偉秀・英秀・穎秀・雅秀・魁秀・秀・簡秀・奇秀・翹秀・迥秀・景秀・閨秀・秀・娟秀・孤秀・三秀・秀・俊秀・春秀・峻秀・鍾秀・竦秀・神秀・深秀・翠秀・清秀・精秀・夕秀・爽秀・蒼秀・端秀・沖秀・挺秀・吐秀・特秀・独秀・麦秀・発秀・美秀・媚秀・芳秀・明秀・茂秀・優秀・霊秀

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「秀」の解説

ひで

?-? 江戸時代中期の女性
宝暦8年(1758)阿波(あわ)重清(しげきよ)村(徳島県美馬町)で,庄屋の不正枡による年貢米取り立てに抗議し,入婿の夫にかわってひとりで藩主に直訴。庄屋の不正はただされたが秀は処刑された。夫は追放刑となり自害。のち同村に秀塚神社がたてられた。

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