検印(読み)ケンイン

デジタル大辞泉 「検印」の意味・読み・例文・類語

けん‐いん【検印】

検査済みのしるしに押す印。「書類検印を押す」
書物奥付に、著者発行承認および発行部数の検査のために押す印。
[類語]捨て印契印割り印合印消印烙印合い判朱印証印連判調印印鑑印章印判判子ゴム印スタンプ印形いんぎょう印影社印職印役印公印私印実印認め印三文判拇印

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精選版 日本国語大辞典 「検印」の意味・読み・例文・類語

けん‐いん【検印・撿印】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 検査を済ませたしるしに押す印。また、その押された印。
    1. [初出の実例]「議案二枚の内一枚へ、御採用の有無共、御検印の御附札、有之度候也」(出典:公議所日誌‐七・下・明治二年(1869)四月)
  3. 書籍の奥付に、著作者が発行を承認したことを証明するために押す印。検印紙に押印して貼付するものもあり、この検印数に基づいて印税が支払われる。現在は省略される場合が多い。
    1. [初出の実例]「著作権法第四十八条第一項に依り複製物を発売頒布せんとする者〈略〉検印を申請すべし」(出典:著作権法施行制(明治三二年)(1899)一条)

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百科事典マイペディア 「検印」の意味・わかりやすい解説

検印【けんいん】

一般には検査の証として押す印影をさすが,出版物については日本独自の慣習として著作者,著作権者が書籍の奥付に押す印をいう。偽版の防止策であり,印税計算の基礎ともしていた。近年は書籍の発行部数の増大や著作権,出版権の考え方の普及などにより,出版社と著者との契約により検印は,形式的なもののほか,ほとんど廃止されている。
→関連項目印税

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「検印」の意味・わかりやすい解説

検印
けんいん

(1) 検査済みの証として押す印。 (2) 書籍の奥付に著者が発行部数を検する (印税計算の基準数を証する) ために押す印。現在は出版社と著作者の良好な信頼関係によってほとんど行われなくなっている。

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普及版 字通 「検印」の読み・字形・画数・意味

【検印】けんいん

検査済の印。

字通「検」の項目を見る

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栄養・生化学辞典 「検印」の解説

検印

 検査に合格した屠畜枝肉に押される印.

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世界大百科事典(旧版)内の検印の言及

【印税】より

…欧米では部数によって印税率を段階的に増加ないし減少させる例があるが,日本ではそれほど採用されていない。印税royaltyの制度は,19世紀にヨーロッパで行われるようになったが,日本では1886年小宮山天香が《慨世史談・断蓬奇縁》(エルクマン・シャトリアン著《マダム・テレーズ》の訳)の出版に際して鳳文館と交わした契約が最初とされ,そのころから著作権者が書籍の各冊に押印した印紙をはり(検印という),発行部数のあかしとすることが長い間の慣行となった。印税という語は,この検印に基づく支払方法が印紙税のそれと似通っていることに由来する。…

※「検印」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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