スタンプ(読み)すたんぷ(英語表記)Sir Laurence Dudley Stamp

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スタンプ」の意味・わかりやすい解説

スタンプ(切手、印紙、証紙)
すたんぷ
stamp

語源(古英語stempan=足で踏む)からみると切手印紙、証紙とか、押し型でつけられた意匠刻印などと、きわめて広い意味をもっている。そのなかで、郵便切手をさすことが割合に多いが、これはpostage stampを略したもので、かならずしも正しい呼称とはいえない。日本ではスタンプを証印の意味に用いる場合が多い。

 郵便局で使うスタンプは、主として切手の消印や証印として使われており、局名と取扱い日時が刻まれている。その形態は時代により、使用目的によって、いろいろ変化している。平素使われている普通日付印のほかに、国民的な記念行事や国際会議などには特殊スタンプが、また地方における相当規模の式典や催し物などには小型記念スタンプが随時使用される。名勝史跡などの所在地の郵便局には風景スタンプが備えられて、遊覧記念用として利用されている。新しい切手が発行されたときには、指定された郵便局にハトマークのついた初日用スタンプが用意され、収集家の便に供されている。これらの郵便局のスタンプは、葉書料金以上の料金の切手を貼(は)ったものに記念押印してもらえる。また消印用ではないが、料金別納・後納用、年賀特別郵便用のスタンプも、常時あるいは季節的に郵便局に備えられ、利用されている。

 鉄道の主要駅や案内所などには、その地の風物を描いたスタンプがあり、神社仏閣にも参詣(さんけい)、観光を兼ねた朱印やスタンプがあり、旅行思い出をつくる記念スタンプとなっている。

[今井 修]


スタンプ(Sir Laurence Dudley Stamp)
すたんぷ
Sir Laurence Dudley Stamp
(1898―1966)

イギリスの地理学者。ロンドン大学名誉教授。ロンドン大学で地質学、地理学を修め、卒業後はビルマ(現、ミャンマー)で油田地質調査に従事する。1926年に帰国し、ロンドン・スクール・オブ・エコノミックスで地理学を担当、1945年には地理学の教授となり、1949年には社会地理学の講座を開設した。また、1930年からイギリスの土地利用の研究に従事し、1946年には16巻に及ぶ報告書を完成し、応用地理学の分野に大きな貢献をなした。1952年から4年間国際地理学連合(IGU:International Geographical Union)の会長に推薦され、また王立地学協会の会長も務め、1965年にはサーSirの称号を与えられた。晩年には世界土地利用調査会の主査として活躍したが、1966年メキシコで開催された国際地理学会に出席し、急逝した。

[織田武雄]


スタンプ(LINE用語)
すたんぷ

LINE

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スタンプ」の意味・わかりやすい解説

スタンプ
Stamp, Laurence Dudley

[生]1898.3.9. キャットフォード
[没]1966.8.8. メキシコシティー
イギリスの地理学者。ロンドン大学教授として人文地理学の講座を担当,多くの地理学徒を育成。国際地理学連合の会長 (1952~56) 。特に地誌の重要性を指摘し,世界的視野に立って地誌を体系化した。また地理学の実用化を意図し『応用地理学』を著わして,地理学が国土の合理的利用や地域開発,人口問題の解決などに重要な役割を果すことを説いた。イギリスで第1次世界大戦後,土地の合理的利用の必要に迫られたとき,スタンプを中心に全国の地理学者,学生 25万人以上が参加,約3ヵ年を費やして大規模な土地調査を遂行し,土地利用図を作成,その功によって 1965年ナイトの称号を与えられた。主著に『イギリスの土地-その利用と誤用』 The Land of Britain,Its Use and Misuse (47) がある。

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