(読み)ヒ

デジタル大辞泉 「秘」の意味・読み・例文・類語

ひ【秘〔祕〕】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]ひめる
学習漢字]6年
人知では知りがたいほど奥深い。「秘奥秘境奥秘神秘
隠して内容が知られないようにする。ひめる。「秘訣ひけつ秘策秘事秘術秘書秘蔵秘匿秘密秘薬秘録秘話厳秘極秘黙秘
通じが悪い。「秘結便秘
[名のり]なし・なみ・み・やす
難読秘鑰ひやく秘露ペルー

ひ【秘】

人に見せたり知らせたりしてはならないこと。秘密。「秘中」「丸文書
内容をはかり知ることのできないこと。奥義
「此の―といふは、ただ難なき歌を出したる所をいふとなり」〈三冊子・黒双紙〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「秘」の意味・読み・例文・類語

ひ【秘】

  1. 〘 名詞 〙
  2. かくして人に知らせないこと。公表してはならないこと。秘密。
    1. [初出の実例]「釘を造るの秘を窺はんと欲せしが」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉七)
  3. 人知でははかり知れないこと。神秘。また、他からはかり知れない奥深いところ。奥義。極意
    1. [初出の実例]「秘云、ただ音曲の至道には、和歌の言葉をとりあはせて書付すへき也」(出典:曲附次第(1423頃))

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普及版 字通 「秘」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)祕
人名用漢字 10画

[字音]
[字訓] ひそか・かくす

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は祕に作り、必(ひつ)声。必は戈(ほこ)・矛(ほこ)や鉞(まさかり)の(ひ)部の形。その刃光の下に放射する形は(しゆく)。必は聖器として呪儀に用い、これを中において、火で清める呪儀は密。あわせて秘密という。(ふく)もその呪儀をいう。中におく字は(せき)で、寂の初文。みな神秘の呪儀をいう。〔説文〕一上に「なり」とするが、神秘の意。秘は俗字。いま秘を常用字とする。

[訓義]
1. ひそか、ひそやか。
2. かくす、とじる。
3. (ひ)と通じ、なやむ、つかれる。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕祕 祭の名。久留女加世利(くるめかせり) 〔名義抄〕秘 ヒソカニ・カクス・カクル・チカシ・ナビヤカ・ナヒタリ・キビシ/祕 キビシ 〔字鏡〕秘 チカシ・キビシク・ナミ・カクス・ヒソカニ・クスシ・ヒソメ/祕 カクシ・ナミ・クルメカセリ

[語系]
祕piuet、pietは声近く、・密miet、伏biukなども声義の関係があり、一系の語と考えられる。

[熟語]
秘愛秘緯・秘逸・秘隠秘宇・秘・秘遠・秘画・秘怪・秘閣・秘学・秘巻・秘館・秘秘玩・秘器・秘忌・秘奇・秘記秘戯・秘義・秘宮・秘曲・秘計・秘経・秘訣・秘結・秘獄・秘策・秘冊・秘史・秘思・秘事・秘室・秘祝・秘術・秘書・秘図・秘秘瑞秘籍・秘説・秘・秘蔵秘牒秘伝・秘殿・秘道・秘匿・秘府・秘文・秘方・秘法秘謀・秘密・秘妙・秘薬秘鑰・秘要・秘
[下接語]
隠秘・奥秘・緘秘・奇秘・機秘・計秘・厳秘・事秘・書秘・神秘・深秘・尊秘・中秘・便秘・宝秘・黙秘・幽秘

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【軍事秘密】より

…武力戦に関係ある知識およびそれらの知識にかかわる文書,図画,物件などのうち,外国に対し秘匿する必要があるため,秘密事項に指定したものをいう。たとえば陸軍・海軍・航空などの戦力,軍事政策,作戦計画,動員計画,出動計画,編制,装備,訓練,軍用に供する人的・物的資源,暗号などには,戦いに勝つため秘匿を必要とするものが多い。…

※「秘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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