唯識派(読み)ユイシキハ

百科事典マイペディアの解説

中北インドで4世紀初めころ,マイトレーヤを始祖,識(ゆいしき)を根本的立場として興った大乗仏教の1派。無著(むぢゃく),世親(せしん)によって大成され,心の識作用を瞑想的実践(瑜伽行(ゆがぎょう))によって完成しようと企図するため瑜伽行派(ヨーガーチャーラ)または瑜伽行唯識派ともよばれる。中国の摂論(しょうろん)宗,日本の法相(ほっそう)宗はこの派に属する。
→関連項目ディグナーガ

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世界大百科事典 第2版の解説

あらゆる事象は唯(た)だ識が変化したものにすぎないという唯心論を唱える,インド大乗仏教の学派。ヨーガの実修を好む瑜伽師(ゆがし)と呼ばれる人びとによって創立されたことから瑜伽行派(ヨーガーチャーラYogācāra)または瑜伽行唯識派とも呼ばれる。唯識説は3~4世紀ころに,《解深密経(げじんみつきよう)》《大乗阿毘達磨経(だいじようあびだつまきよう)》などによって初めて主張された。論書としては《瑜伽師地論》が最古層に属する。

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大辞林 第三版の解説

中観派と並ぶインド大乗仏教の二大流派の一。唯識説を主張し、瑜伽行ゆがぎようを実践することで心の奥底にある清浄な真理である如来蔵を発現させようとする。弥勒・無着・世親らによって形成され、法相宗に継承された。瑜伽派。

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世界大百科事典内の唯識派の言及

【インド哲学】より

…彼の学系は中観派といわれる。他方,唯識派(瑜伽行派)は,空の立場に立ちながらも,現実生存の根底にアーラヤ識ālayavijñānaという精神的原理を想定し,現実生存がこのように成立している理由を体系的に説明しようとした。またいっさいの衆生は如来となる可能性があるとする如来蔵思想が成立,仏教のベーダーンタ哲学への接近を示している。…

【如来蔵説】より

…大乗仏教の思想,教理を組織体系化した論師(ろんじ)たちには,大きく二つの流れがあった。竜樹を祖とする〈中観(ちゆうがん)派〉と弥勒(みろく)を祖とする〈唯識(ゆいしき)派〉とである。後者と深いかかわりをもち,おもに彼らによって継承された思想に,如来蔵説がある。…

【瑜伽師地論】より

…インド大乗仏教の論書。唯識派(ゆいしきは)の基本的な典籍。原題はサンスクリットで《ヨーガーチャーラブーミYogacārabhūmi》。…

※「唯識派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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