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 しゃく

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


しゃく

「こつ」ともいう。束帯のとき威儀を正すために用いた長さ1尺2寸 (約 40cm) の板状のもの。礼服着用のときには象牙製,束帯,袍袴 (ほうこ) のときには櫟 (いちい) 製を用いた。儀式の複雑化につれて,備忘のため式次第などの覚え書を書きつけることもあった。

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デジタル大辞泉の解説

こつ【×笏】

しゃく(笏)

しゃく【×笏】

束帯着用の際、右手に持つ細長い板。もとは備忘のため笏紙(しゃくし)をはるためのものであったが、のちにはもっぱら威儀を整える具となった。木や象牙で作る。さく。こつ。
[補説]「笏」の字音「コツ」が「骨」に通うのを避けて、長さが1尺ほどであるところから「尺」の音を借りて当てたもの。

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百科事典マイペディアの解説

笏【しゃく】

礼服(らいふく),束帯のとき威儀をととのえるため右手に持つ細長い板。元来は君命などを書きつけた備忘用の板であった。五位以上は牙(げ),六位以下はイチイサクラなどの木製で,天皇の笏は上下の縁が方形,臣下のは丸みを帯び,すそすぼみである。
→関連項目笏拍子如意檜扇

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世界大百科事典 第2版の解説

しゃく【笏】

官位にある者が礼服(らいふく)または束帯を着用する際,威儀をととのえるにあたって右手に持つ細長い板をいう。中国ではコツと呼び,すでに周代から使われていた。日本ではコツの音が骨に通ずるところからこれを嫌い,またその長さが1尺であったことから〈しゃく〉と称するようになったことが《倭名類聚抄》に記されている。元来は手板(しゆばん)とも呼ばれて,君命や奏上事項を板の上に書いて忽忘(こつぼう)に備えた備忘用の板であり,威儀の料となっても笏紙(しやくし)といって儀式の覚書を記した紙を笏の内側にはることが行われた。

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大辞林 第三版の解説

こつ【笏】

しゃく【笏】

〔本来の字音「こつ」が「骨」に通うのをきらって、その長さが一尺ほどあるところから「尺」の音を借りたものという〕
束帯を着るとき、右手に持つ細長い板。初めは式次第などを紙に書き、裏に貼って備忘用としたが、のちには儀礼用となった。材質は木または象牙。手板しゆはん。さく。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


しゃく

貴族階級の服装に用いられる威儀具。笏は「こつ」と読むのが正しいが、骨と同音のため、嫌って「しゃく」といわれるようになった。もと、儀式の際に備忘のため式次第を書いた紙を笏の裏に貼(は)り、右手に持ったもので、手板とも称した。養老(ようろう)の衣服令(りょう)で礼服および朝服に五位以上の者に牙笏(げしゃく)、六位以下は木笏(もくしゃく)と定められた。しかし象牙(ぞうげ)の入手が困難なため、平安時代になると牙笏は礼服のみに用いられ、朝服にはみな木笏が用いられることとなった。天皇の用いる笏は上下ともほぼ方形とし、臣下は上円下方として上が丸みを帯び、下部がしだいに幅狭くなり端が方形である。木笏の材料は櫟(いちい)(一位)を最上とし、柊(ひいらぎ)、桜、榊(さかき)、杉などの板目がよいとされている。[高田倭男]

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世界大百科事典内のの言及

【笏】より

…日本ではコツの音が骨に通ずるところからこれを嫌い,またその長さが1尺であったことから〈しゃく〉と称するようになったことが《倭名類聚抄》に記されている。元来は手板(しゆばん)とも呼ばれて,君命や奏上事項を板の上に書いて忽忘(こつぼう)に備えた備忘用の板であり,威儀の料となっても笏紙(しやくし)といって儀式の覚書を記した紙を笏の内側にはることが行われた。養老令の制度では,唐制と同じに五位以上は牙(げ)の笏と規定しているが,牙は容易に得がたいので,《延喜式》の弾正台式に白木をもって牙にかえることが許されており,礼服のほかはすべて木製となって近世にいたった。…

【束帯】より

…武家も将軍以下五位以上の者は大儀に際して着装した。束帯の構成は(ほう),半臂(はんぴ),下襲(したがさね),(あこめ),単(ひとえ),表袴(うえのはかま),大口,石帯(せきたい),魚袋(ぎよたい),(くつ),(しやく),檜扇,帖紙(たとう)から成る。束帯や十二単のように一揃いのものを皆具,あるいは物具(もののぐ)といった。…

【杖】より

…ペルーのアンデス山地のケチュア族では,高位の村役につく者がバラという杖をもつ。古代エジプトにも王笏(おうしやく)があった。ミクロネシアでは〈夜ばい棒〉といわれる棒を男がもつが,これも本来は男の素性や地位を示す杖である。…

【把笏】より

…威儀を備えるために(しやく)をもつ服制のひとつ。中国では古くから把笏の制度があり,もともとは覚書などを記して備忘用としての意味をもっていた。…

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