筋子(読み)スジコ

デジタル大辞泉 「筋子」の意味・読み・例文・類語

すじ‐こ〔すぢ‐〕【筋子】

サケマスなどの卵を、卵巣膜に包まれた状態のまま塩漬けにした食品。すずこ。 秋》イクラ

すず‐こ【筋子】

すじこ」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「筋子」の意味・読み・例文・類語

すじ‐こすぢ‥【筋子】

  1. 〘 名詞 〙(さけ)の腹から取り出した卵を、卵巣膜に包まれた状態で塩づけにしたもの。すずこ。すじひき。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「甲斐備中守久衡蚫百盃鯛十筋子五并五百疋進之」(出典:親元日記‐寛正六年(1465)七月二五日)

すず‐こ【筋子】

  1. 〘 名詞 〙すじこ(筋子)《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「ニシンの油やスズコをかけて食うて居る位のものだ」(出典:我羊独語(1929)〈品川義介〉アイヌ頽敗の原因)

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改訂新版 世界大百科事典 「筋子」の意味・わかりやすい解説

筋子 (すじこ)

サケ,マスの卵巣,およびその塩蔵品。古くは〈はららご(鮞)〉〈はらら〉〈甘子(あまこ)〉とも呼び,現在は〈すずこ〉とも呼ぶ。卵巣膜に包まれたままのもので,卵粒をほぐしてばらばらにしたものがイクラである。塩蔵には,卵巣を洗って汚れを除き,飽和食塩水に浸漬しんし)する方法と塩をふる方法とがあり,おもに前者が行われている。自然な朱色で,弾力性があり,卵粒のしっかりしたものが良品である。古くから珍重されたもので,《延喜式》には〈鮭子〉の名で信濃越前越中越後などから貢納されていたことが見える。江戸時代には汁や煮物に多く使われたが,現在ではそのまま,あるいはダイコンおろしを添えて酒のさかななどとすることが多い。
サケ
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「筋子」の意味・わかりやすい解説

筋子
すじこ

さけ,ますなどの腹子の塩蔵品をいう。皮膜におおわれたままの腹子を筋子,分離した卵粒をイクラと呼ぶ。筋子の製造には散塩漬と塩水漬の2つの方法がとられており,前者は腹子にその重さの約 12%の食塩をふり,1週間ぐらい塩蔵してからさらに3%の食塩を加える。後者は飽和食塩水に短時間漬けて水を切り,さらに3%の食塩を加えたもので,最近ではこの方法がおもに行われている。製品の食塩含量は7%程度が適当で,食塩含量が低いと製品の質が軟らかで腐りやすく,また,食塩含量が高いと硬くなって味が落ちるといわれている。

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百科事典マイペディア 「筋子」の意味・わかりやすい解説

筋子【すじこ】

サケ,マスの卵巣の塩蔵品。卵巣膜に包まれたまま塩漬にする。卵粒を分離したものをイクラという。弾力性があり,朱色で大粒のものが良品。ビタミンAに富み,栄養価が高い。そのまま食べるか,ダイコンおろしとあえたり,汁に入れたりする。
→関連項目サケ(鮭)

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世界大百科事典(旧版)内の筋子の言及

【サケ(鮭)】より

…《吾妻鏡》には建久1年(1190)10月,上洛途次の源頼朝に佐々木盛綱が鮭の楚割を献じた記事があり,削って食べるものであったことも知られる。鮭子は卵巣で筋子(すじこ)と呼ばれるもの,氷頭は頭の軟骨で膾(なます)などの材料とした。背腸は〈みなわた〉ともいい,背骨の内側に付着している血のかたまりのような腎臓を塩辛にしたもので,現在〈めふん〉と呼ぶものである。…

※「筋子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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