デジタル大辞泉
「糸巻」の意味・読み・例文・類語
いと‐まき【糸巻(き)】
1 糸を巻いておくこと。また、そのための道具。
2 釣り糸を巻き収める道具。
3 三味線などの弦楽器の棹の上部にある、糸を巻きつけるねじ。転手。
4 江戸時代、女性の髪の結い方の一。髪を櫛などに巻いてとめる。多く舞子・遊芸の師匠などが結った。
5 紋所の名。1をかたどったもの。
6 「糸巻の太刀」の略。
7 糸枠の形をとった茶道具の総称。糸巻き棚・糸巻き煙草盆・糸巻きふた置きなど。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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いと‐まき【糸巻】
- 〘 名詞 〙
- ① 糸を巻き納めること。また、そのための小さな薄板や、厚紙の小片。糸がはずれないように四隅に角(つの)のあるものが多い。カタン糸などを巻く木製の円筒形のものもある。
- [初出の実例]「ぬめる物 鰻(うなぎ)糸巻、蛞蝓(なめくじり)」(出典:仮名草子・犬枕(1606頃))
- ② =いとづつみ(糸裹)
- ③ 「いとまきあじ(糸巻鰺)」、また、「いとまきえい(糸巻鱏)」の略。
- ④ 「いとまき(糸巻)の太刀(たち)」の略。
- [初出の実例]「於二広庭一舞レ之。糸巻一振遣レ之」(出典:北野社家日記‐明応二年(1493)正月二〇日)
- ⑤ 釣り糸を巻き収める具。
- [初出の実例]「円形の泛子、糸巻、釣竿など」(出典:銀の匙(1913‐15)〈中勘助〉後)
- ⑥ 茶道の蓋置(ふたおき)の一つ。糸枠(いとわく)から考案された。
- ⑦ 琵琶、三味線、バイオリン等の弦楽器の棹(さお)の上部にあって、弦を巻いて弦の張り、すなわち音の高さを調節するネジ。古くは、転軫(てんじん)、転手(てんじゅ)といった。
- [初出の実例]「京伝を愛(あいす)の一曲(ふし)を唱て、糸巻をちとひねること爾(しかり)」(出典:洒落本・通言総籬(1787)序)
- ⑧ 江戸末期の女の髪の結い方の一つ。丈長紙や縮緬を幅五分くらいにたたんで背の方から中差の両端をくぐって前で結ぶ形が①に似ているのでいう。舞子、遊芸の師匠などの間で流行した。
- [初出の実例]「糸巻〈是も形によりての名なり〉」(出典:随筆・嬉遊笑覧(1830)一下)
- ⑨ 紋所の名。①にかたどったもの。いとまき、ちがいわくいとまき、かげのいとまき、かさねいとまき、など種々ある。
糸巻@違い枠糸巻
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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糸巻
いとまき
裁縫用具の一つで、縫い糸を巻いておくもの。かつては、和裁用の縫い糸は綛(かせ)巻きしたものを購入し、各家庭で糸巻に巻き取って使用した。しかし今日では、木綿縫い糸としつけ糸の一部を除いたもの、絹糸、合繊縫い糸などは、糸巻に巻いて市販されている。糸巻は幅5センチメートル、長さ7センチメートル、厚さ0.2センチメートルぐらいのボール紙(カード)を分銅(ふんどう)形に、左右をくびれた形に切ったもので、糸端を引っかけて始末できるように、端に切り目がついている。大正時代ごろまでは木製が使われたが、昭和になってセルロイド製も多くつくられた。ミシン糸は木製またはプラスチック製の管巻(くだまき)に巻かれていて、中央にあいた穴をミシンにさして用いる。外国でも裁縫用の糸巻は古くから用いられており、中国漢代の金属性の針筒兼用のもの、朝鮮高麗(こうらい)の彫金製のもの、李(り)朝の木彫製、牛角製のものなど装飾的なものがある。
[岡野和子]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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