細石(読み)サザレイシ

デジタル大辞泉 「細石」の意味・読み・例文・類語

さざれ‐いし【細石】

こまかい石。小石
「わが君は千代八千代に―の巌となりてこけのむすまで」〈古今・賀〉
[類語]石ころ石くれ小石れき石礫せきれき礫石れきせき石塊せっかい転石てんせき砂利じゃり砕石ごろた石つぶて玉石割り栗石火打ち石

さざれ‐し【石】

さざれいし」の音変化。
「信濃なる千曲の川の―も君し踏みてば玉と拾はむ」〈・三四〇〇〉

ささら‐いし【細石】

小石。さざれいし。

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精選版 日本国語大辞典 「細石」の意味・読み・例文・類語

さざれ‐いし【細石】

[1] 〘名〙
① 小さな石。小石。さざれ。さざれし。ささらいし。
万葉(8C後)一四・三五四二「佐射礼伊思(サザレイシ)に駒を馳(は)させて心痛み吾(あ)が思(も)ふ妹(いも)が家の辺りかも」
※古今(905‐914)賀・三四三「わが君は千世にやちよにさざれいしのいはほとなりて苔のむすまで〈よみ人しらず〉」
元祿一六八八‐一七〇四)ごろ、京都で最上の銘酒の名。一名、舞鶴
③ 神奈川県大磯の名菓。磯の小石の形に似せた薄荷糖(はっかとう)
④ 大阪の名菓。菅原道真の伝説によって作った小石の形のおこし。〔随筆・一話一言(1779‐1820頃)〕
[2] 小歌の名。
※雑俳・軽口頓作(1709)「ふるいぞや・さかなをほればさざれ石

さざれ‐し【細石】

〘名〙 「さざれいし(細石)」の変化した語。
書紀(720)推古二八年一〇月(北野本訓)「砂礫(ササレシ)を以て檜隈(ひのくま)の陵の上に葺(し)く」

さい‐せき【細石】

〘名〙 こまかい石。小さい石。さざれ石。小石。〔十巻本和名抄(934頃)〕

ささら‐いし【細石】

〘名〙 粒の細かい石。小石。さざれいし。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「細石」の解説

細石
(通称)
さざれいし

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
太柱金細石
初演
享保7.11(京・瀬川菊之丞座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

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