綴る(読み)ツヅル

デジタル大辞泉 「綴る」の意味・読み・例文・類語

つづ・る【×綴る】

[動ラ五(四)]
欠けたり破れたりしたところをつぎ合わせる。また、とじる。とじ合わせる。「袖のほころびを―・る」「書類を―・る」
言葉をつらねて詩歌文章を作る。「文章を―・る」
仮名アルファベットなどを並べて単語を書き表す。「ローマ字で―・る」
[可能]つづれる
[類語](1綴じる縫うかがけるまつる仕付ける裁縫する縫製する縫い込む綴り合わせる綴じ合わせる綴じ付ける

つづく・る【×綴る/繕る】

[動ラ五(四)]衣類のほころびなどを縫い合わせる。つくろう。
「我衣物きものの綻びを―・る様」〈露伴・対髑髏〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「綴る」の意味・読み・例文・類語

つづ・る【綴】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙 同類のものを二つ以上つぎ合わせる。
    1. 糸などで二つ以上のものをつなぎ合わせて布地衣服にする。また、欠けたり破れたりした所をつぎ合わせる。
      1. [初出の実例]「手を以て衣を縫(ツツリ)き」(出典:大智度論平安初期点(850頃か))
    2. 布、紙などをつぎ合わせる。
      1. [初出の実例]「障子をつづりて倹約をしめしたるは時頼の母とかや」(出典:俳諧・類船集(1676)良)
    3. 紙を糸・紐などでとじる。とじ合わせる。
    4. ことばを組み合わせて文を作る。また、文章に書き表わす。
      1. [初出の実例]「コトバヲ tçuzzuru(ツヅル)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
      2. 「今本編(このほん)を綴(ツヅ)るにあたりて」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙はしがき)
    5. アルファベット、また、仮名を組み合わせて単語を書き表わす。
      1. [初出の実例]「羅馬字を以て邦語を綴るには、英語の子字用法に拠るを便なりとす」(出典:羅馬字早学び(1885)〈矢田部良吉〉緒言)
    6. 比喩的に、ある行為や物事をとぎれなくつづける。
      1. [初出の実例]「さるによりて、他力の本願にほこりて、いよいよ悪をつづり、首題の超過をよりどころとして仏をそしり他をなみす」(出典:談義本・艷道通鑑(1715)二)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ほころび破れる。また、繕ってある。
    1. [初出の実例]「其打扮(いでたち)たるや頭は乱れ、服は弊(ツヅ)れ、見る影もなき有様なれども」(出典:暴夜物語(1875)〈永峰秀樹訳〉後翁並二犬の伝)

つづく・る【綴・繕】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「つつくる」とも )
  2. 衣類、道具類、建造物などの損じたところを修繕する。補修する。つくろう。つづけ合わす。つづる。
    1. [初出の実例]「多田休三郎より草子つつくり送了」(出典:言経卿記‐慶長五年(1600)七月二六日)
  3. ことばを連ねて詩歌や文章を作る。つづる。
    1. [初出の実例]「此竹斎も、一首つつくりけり」(出典:仮名草子・古活字版竹斎(1621‐23頃)下)

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