日本大百科全書(ニッポニカ) 「美東」の意味・わかりやすい解説
美東
みとう
山口県中西部、美祢郡(みねぐん)にあった旧町名(美東町(ちょう))。現在は美祢市の東部地域の東半部を占める。厚東(ことう)川支流の大田川流域を占める内陸農村。旧美東町は1954年(昭和29)大田町と赤郷(あかごう)、綾木(あやぎ)、真長田(まながた)の3村が合併して成立。2008年(平成20)美祢市、秋芳(しゅうほう)町と合併して美祢市となる。国道435号、490号が通じる。カルスト台地の秋吉台(あきよしだい)の東端にある長登(ながのぼり)は古代銅山として知られ、近世には長登銅山村と称した。銀山や銅山が集中し、近年まで採掘された鉱山もある。町役場の置かれた大田は近世の船木(ふなき)街道の市場町、宿駅として発達。明治以降も郡役所が置かれた。ハクサイ、ゴボウの特産地で、クリやナシの果樹栽培が盛ん。大理石加工業も行われる。秋吉台国定公園の東半部を占め、国指定天然記念物の大正洞や景清(かげきよ)洞がある。
[三浦 肇]
『『美東町史』(1974・美東町)』▽『『美東町史』全2巻(2004・美東町)』