日本大百科全書(ニッポニカ) 「秋芳」の意味・わかりやすい解説
秋芳
しゅうほう
山口県西部、美祢郡(みねぐん)にあった旧町名(秋芳町(ちょう))。1955年(昭和30)秋吉(あきよし)、岩永、共和、別府(べっぷ)の4村が合併して町制施行。2008年(平成20)美祢市、美東町(みとうちょう)と合併。旧町域は現在の美祢市東部地域の西半部を占める。国道435号、中国自動車道が通じる。厚東(ことう)川上流域を占め、カルスト台地で有名な秋吉台(特別天然記念物)のある内陸の農村地域。湧泉(ゆうせん)に恵まれた台麓(だいろく)には弥生(やよい)時代の遺跡が多い。町役場の置かれた秋吉は近世の赤間関(あかまがせき)街道の宿場として発達した町で、現在も美祢郡地方の交通、商業の中心。特別天然記念物秋芳洞(あきよしどう)は年間120万人の観光客が訪れる。良質の大理石を産出し、ナシ、クリの特産地。
[三浦 肇]
『『秋芳町史』(1963・秋芳町)』▽『『秋芳町史 改訂版』(1991・秋芳町)』