耕三寺(読み)こうさんじ

精選版 日本国語大辞典 「耕三寺」の意味・読み・例文・類語

こうさん‐じカウサン‥【耕三寺】

  1. 広島県豊田郡瀬戸田町にある浄土真宗本願寺派の寺。山号は潮声山。昭和一二年(一九三七)鉄工業者の金本耕三が母への供養のため創建。堂舎はすべて飛鳥時代から江戸時代に至る各時代の代表的な仏教建造物を模したもので、「今日光」「西の日光」と呼ばれる。

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日本歴史地名大系 「耕三寺」の解説

耕三寺
こうさんじ

[現在地名]瀬戸田町瀬戸田

浄土真宗本願寺派。当地出身で鉄工業を営んでいた金本耕三が、母の供養のため昭和一二年(一九三七)建立。その後、次々と造営がすすめられ、諸堂塔は紫宸殿御門・東照宮陽明門・平等院鳳凰堂・四天王寺金堂・日野法界寺阿弥陀堂・法隆寺夢殿石山寺多宝塔・室生寺五重塔・新薬師寺鐘楼など、各地各時代の代表的仏教建築を模しており、これらが一ヵ所に再現され、俗に「西の日光」と称される。

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改訂新版 世界大百科事典 「耕三寺」の意味・わかりやすい解説

耕三寺 (こうさんじ)

広島県尾道市瀬戸田町,尾道から海上約8kmの生口島(いくちしま)にある浄土真宗の寺。山号は潮声山。当地出身の実業家,金本耕三が母のため1936年から建立。本堂以下20余の堂塔は全国の有名寺院の建物を手本とし,特に山門の孝養門が東照宮陽明門に似ることから,西日光と俗にいう。快慶作の阿弥陀如来像をはじめ,彫刻絵画工芸,書跡の重要文化財十数点,他に近代美術の秀作多数を所蔵することでも有名。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「耕三寺」の意味・わかりやすい解説

耕三寺
こうさんじ

広島県尾道(おのみち)市にある浄土真宗本願寺派の寺。山号は潮声山(ちょうせいざん)。俗に「西の日光」といわれる。当地出身の鉄工業者金本耕三(かねもとこうぞう)が、母の菩提供養(ぼだいくよう)のため仏道に入り、独力で建立した新興の寺院。1936年(昭和11)に起工瀬戸内海の生口島(いくちじま)の観音山(かんのんざん)中腹に本堂をはじめ二十数棟の堂宇を建立した。諸堂宇はわが国各時代の代表的寺院建築を模したもので、日光東照宮陽明門を模した孝養門、宇治の平等院鳳凰堂(ほうおうどう)を模した金堂などがある。堂内には絵画、彫刻、工芸、書跡などの多くの文化財があり、国指定重要文化財・重要美術品は約60点に及ぶ。寺宝は宝蔵などに出陳、公開されてきたが、52年(昭和27)諸堂の一部が博物館に指定された。

[清水 乞]


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