おもには現場作業や現業部門に従事する労働者に対して、事務部門や技術・研究部門に従事する職員層によって組織されている労働組合。公務員の場合、現業部門は団結権と団体交渉権が保障され、組合の結成が認められているのに対して、非現業の一般職の団体は「職員団体」としか認められていないため(国家公務員法108条2項、地方公務員法52条)、狭義には、人事委員会などへの登録によって承認される公務員の「職員団体」をさす場合もある。
第二次世界大戦後の日本の労働組合は、組織形態でみた場合、企業・事業所単位に企業別組合として結成され、工員と職員が一体となって組織される工職混合組合としての特徴をもつ。しかし、金属・鉱山業、土木建設業などなお身分的な位階制が残存していた一部の業種では、一企業内に現業組合と職員組合が別個に結成される例があった。実際、日本炭鉱労働組合(炭労)の場合、鉱員組合と職員組合が並存していたのである。
日本経済が1950年代以降、復興・発展の軌道に入り、経営・事業規模が拡大して活動が活発になると、職種の多様化が進み、他方で人事管理における職階制の導入、事務管理・技術部門の強化が図られた。そして、ホワイトカラーとよばれる職員層(事務労働者)の比重とその専門性が高まるにつれて、従来の工職混合組合は、大きく事務、現業両部門に分かれて独立する傾向を帯びるようになった。
近年、グローバル化の時代を迎えて「規制改革」や「行財政の改革」が唱導され、官庁、民間を問わず、事務部門の合理化や人件費の削減が図られるようになったのに伴い、事務部門には派遣労働者、臨時職員、パート労働者が大量に雇われている。職員組合が、これらの非正規の職員をどう処遇し、組織化するかが、労働組合運動の発展においても重要な課題となっている。
[吉田健二]
「ホワイトカラー・ユニオン」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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