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胎教 たいきょうprenatal care

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

胎教
たいきょう
prenatal care

妊娠中の精神状態や考え方胎児に影響を与えるものとして,妊婦に求められる心身生活様式の規制。「妊婦が火事を見ると赤あざの子が生れる」などの迷信があるほか,「よい音楽を聞いたり,よい絵を見たりすると芸術的才能のある子供が生れる」といわれる。最近では,感情ストレスが妊娠中の異常を引起し,胎児の心身の構成と発育に間接的に影響するものとして,胎教の考え方が再評価されつつある。

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デジタル大辞泉の解説

たい‐きょう〔‐ケウ〕【胎教】

妊婦が精神的安定に努めて、胎児によい影響を与えようとすること。

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世界大百科事典 第2版の解説

たいきょう【胎教】

妊娠中の女性の精神修養によって胎児によい影響を与えようとする教育。胎児の発育は妊婦の心身の状態と不可分であるから,時代と地域とを問わずおのおのの社会は妊婦が注意すべき事項を定めている。未開社会においては妊婦の禁止事項がことわざによって伝えられる場合が多い。アリストテレスおよびプラトンは,胎児の健全な発育のためには妊婦に適度な運動と精神の平静が必要であり,周囲がそのように配慮すべきことを説いている。一方,前漢時代の中国では,優秀な子を生むためには妊婦の修養が必要であるという思想が生まれ,この修養が,すなわち胎児に施す教育であるという意味で〈胎教〉と呼ばれた。

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大辞林 第三版の解説

たいきょう【胎教】

妊娠中に、妊婦が精神的安定と修養につとめ、胎児によい感化を与えようとすること。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

胎教
たいきょう

妊婦が精神修養を行うことによって胎児によい影響を与えようとする思想をいう。古来、先天異常に対する外因の一つとして精神的要因が広く考えられてきた。たとえば、受胎時における両親や妊娠中の母親の精神的印象がそのまま胎児に反映するとか、母親の精神的ショックなどのストレスが胎児の形態異常発生に関係するといった考え方である。これを西洋ではmaternal impression(胎内感応)といい、中国や日本では儒教と結び付いて胎教とよばれたわけである。
 母体と胎児は臍帯(さいたい)(へその緒)でつながっているが、これには血管はあっても神経が見当たらない。したがって、母体の脳細胞の働きが胎児の脳細胞に直接影響するとは考えられない。母親がにわか勉強しても胎児の頭がよくなることとは無関係であり、科学的にはまったく根拠のないものが少なくない。しかし、妊娠中は精神状態が不安定になりやすく、喜怒哀楽が激しくなることは知られており、強度の精神感動が血液成分に変動をもたらし、これが臍帯の血管を通して胎児に影響を与えることは十分に考えられるわけである。無益な迷信は排斥すべきであるが、胎教本来の趣旨を善用して精神の平静を守ることは必要であり、周囲の協力も忘れてはならない。[新井正夫]

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