脳梅毒(読み)ノウバイドク

デジタル大辞泉 「脳梅毒」の意味・読み・例文・類語

のう‐ばいどく〔ナウ‐〕【脳梅毒】

脳脊髄膜や脳の血管に、梅毒病原菌が侵入して起こる精神神経疾患総称神経梅毒

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精選版 日本国語大辞典 「脳梅毒」の意味・読み・例文・類語

のう‐ばいどくナウ‥【脳梅毒】

  1. 〘 名詞 〙 脳膜や脳の血管が梅毒スピロヘータに侵されて起こる精神神経障害の総称。梅毒感染後数年ないし数十年後に起こる。時にはゴム腫と呼ばれる腫瘍(しゅよう)を形成し、脳腫瘍のような症状を呈することもある。
    1. [初出の実例]「彼女は〈略〉脳梅毒の為めに、精神に異状を呈したので」(出典:浅草経済学(1933)〈石角春之助〉二)

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百科事典マイペディア 「脳梅毒」の意味・わかりやすい解説

脳梅毒【のうばいどく】

神経梅毒一種。脳が梅毒に冒されて起こる疾患で,梅毒の第4期に脳底髄膜炎・脳動脈炎などの形をとって,頭痛めまい,嘔吐(おうと),痙攣(けいれん),精神障害などを呈する。動脈炎では卒中発作をきたす。治療は駆梅薬投与など。
→関連項目進行麻痺精神病ワグナー・フォン・ヤウレッグ

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改訂新版 世界大百科事典 「脳梅毒」の意味・わかりやすい解説

脳梅毒 (のうばいどく)
cerebral syphilis

梅毒の第2期または第3期にみられるもので,主として脳底部のゴム腫による髄膜炎,梅毒性動脈炎による卒中発作,脊髄癆(ろう)や進行麻痺などの神経梅毒などが含まれる。
梅毒
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「脳梅毒」の意味・わかりやすい解説

脳梅毒
のうばいどく
cerebral syphilis

梅毒の第2期および第3期に現れる梅毒性の脳膜炎。第2期の場合は発熱,意識混濁,せん妄など急性の脳炎症状が強く出現し,第3期になると,ほか痴呆などの精神症状が強く現れ,正常な思考ができなくなる。血液,脳脊髄液のワッセルマン反応陽性,脳脊髄液の細胞増加などがみられる。完治は期待できない場合が多い。

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世界大百科事典(旧版)内の脳梅毒の言及

【梅毒】より

…よく侵されるのは中枢神経系と循環器系である。中枢神経系では脳脊髄液に病的変化が認められるのみで他の症状のない無症候性神経梅毒のほか,激しい精神障害を示す進行麻痺(いわゆる脳梅毒)や,知覚障害と歩行障害を主症状とする脊髄癆(ろう)が発症しやすい。循環器系では大動脈弁閉鎖不全,胸部大動脈炎,胸部大動脈瘤が起こる。…

※「脳梅毒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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