湖水中に腐植質を多量に含む非調和型の湖。湖底は湖外から流入した腐植物による腐植泥(でい)で覆われ、薄茶色からコーヒー色の水色を示す。溶け込んだ有機酸により湖水は酸性となる。高山帯の森林中や高層湿原中には水素イオン濃度(pH)4~5の有機酸性の腐植栄養湖がみられる。電解質は一般に少ない。水中のフミン酸などの腐植質がコロイド状となり、リン酸などの栄養塩類を吸着し、植物プランクトンの成長を妨げる。したがって基礎生産力は低い。植物プランクトンはツヅミモの類が多いが、量は少ない。
水生植物としては湖岸にスゲ、イ(イグサ)、ミツガシワ、ミズバショウなどが粗生し、ジュンサイ、オヒルムシロ、アサザなどの浮葉植物が繁茂することもある。動物プランクトンはミジンコ、赤色のヤマヒゲナガケンミジンコが多量に出現することがある。そのほかフサカ幼虫もみられるが魚類はまれにしか生息しない。寒冷な高緯度地域に多く、日本では高山の高層湿原中の池や北海道の平地の湖に多い。
[沖野外輝夫]
『沖野外輝夫・半田暢彦ほか著『湖沼調査法』(1987・古今書院)』▽『飯田貞夫著『やさしい陸水学――地下水・河川・湖沼の環境』(1997・文化書房博文社)』▽『沖野外輝夫著『湖沼の生態学』(2002・共立出版)』
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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