日本の食中毒の原因のなかで、サルモネラとともに最も発生頻度の高い食中毒のひとつです。この菌は、1950年、大阪府下で発生したシラス食中毒事件の時、日本で発見されました。
腸炎ビブリオは
さまざまなタイプの下痢と腹痛が必ず起こります。嘔吐や発熱を伴うこともあります。ほかの食中毒に比べ、発病初期は重症になる傾向があります。
夏季の大人の食中毒患者で、海産魚介類(とくに生)をおおよそ10~30時間(潜伏期)前に食べていれば、この食中毒の疑いが濃いといえます。
症状から、ほかの食中毒と区別するのは難しく、確定診断にはTCBS寒天培地など、この菌を分離しやすい培地で菌を検出します。分離された菌がTDH/TRHの産生能をもっているかどうかを調べることで、病原性を有する菌か否かを判定します。
対症療法が中心ですが、下痢止め薬は用いないほうが無難です。抗生物質は病期を短縮するといわれていますが、十分な根拠はありません。多くの患者さんは数日で快方に向かいます。しかし、まれに死亡することもあるので、十分な注意が必要です。
医療機関を受診するのが原則です。下痢、発熱、嘔吐はいずれも体の水分を失うことになるので、市販のスポーツ飲料などで水分の補給を心がけ、脱水症に陥るのを防ぎましょう。
体力のない高齢者や幼児では、嘔吐物の
本田 武司
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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