翻訳|glue
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
動物の皮,骨,腱,内臓膜を主要原料とし,これらを水とともに熱して,得られた抽出液を濃縮して乾燥したもの。原料の主成分タンパク質であるコラーゲン(骨の場合はオセインosseinと呼ばれる)が,加熱によって変性したものをゼラチンと呼ぶ。加熱抽出前に原料中のコラーゲン以外の成分をアルカリ処理や酸処理によって取り除く精製作業が行われる。にかわは精製が不十分なものを原料とするので不純物を含み,濃色で不透明な製品が多いが,本質的にはゼラチンと変わらない。にかわ原料としてこのほかに,製革工場で皮の内側の結合組織を除去する作業(フレッシング)で得られたものや皮の裁断くずがある。またクロムなめし革の削りくず(シェービングくず)を脱クロム処理したものは工業用ゼラチン原料とされている。魚の皮,骨を原料としたものは魚膠(ぎよこう)と呼ばれ液状で用いられるが,品質は獣膠より劣る。にかわの起源は3000年前のエジプトにおける家具製造にさかのぼるが,近年各種合成糊料の開発にともない,にかわの需要は急減した。用途としては,木,紙,繊維製品の接着剤および目詰剤,マッチの発火剤の結合剤,ガムテープの粘着剤などがある。
→ゼラチン
執筆者:和田 敬三
にかわは主として木工などにおける接着剤として日本でも古くから広く用いられ,日本画における絵具の溶材ともされる。《延喜式》兵庫寮式には大嘗会(だいじようえ)用の神楯(かみたて)の牛革の塗料として,掃墨(はきずみ)2升8合ににかわ5両14銖(しゆ),酒1升4合とを混合したものが使用されている。さらに《造金堂所解》には〈金薄一万六百九十二枚押花枚二百廿八枚料 膠十三両〉とあって,金銀の薄(箔)押しにもにかわが使われている。なお奈良時代のにかわの値段は《造仏所作物帳》(734)によれば,皮の裁ちくずを煮てつくった自製のにかわは,当時既製品の両別4.5文に対し,工賃などを除いて両別2.9文であったことが知られる。今日でも三千本にかわ,板にかわなどの形で市販されている。ニベのうきぶくろでつくる鰾(にべ)にかわはとくに接着力が強い。
執筆者:木内 武男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…一般的には顔料と展色剤を練り合わせて作った彩色材料をいう。広義には白墨,木炭などのように顔料を押し固めたり,そのまま使えるもろい単体をも含める。少なくとも化学工業製品が世にあふれる19世紀初頭までは,ごく少しの例外を除いて,いずれの時代にも絵具の顔料は共通している。天然鉱石粉,泥土,金属(銅,スズなど)のさび類,動・植物染料がそのおもなものである。絵具の種類,性質は展色剤の違いによる。展色剤は顔料を支持体の面に広くひろげるのを助けるとともに,両者の接着剤として作用する。…
※「膠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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