物性物理学(読み)ぶっせいぶつりがく(英語表記)condensed matter physics

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

物性論ともいう。物質性質を微視的立場から論じる物理学分野。あらゆる集合状態の物質を対象とする。希薄な気体の性質や規則性の強い結晶質の固体などの研究は著しく進歩したが,規則性の低い液状物質 (液体,非晶質など) の研究には未開拓の面が多い。対象とする物性領域によって,固体電子論金属電子論半導体理論,誘電体論,磁性論,光物性高圧物理学,低温物理学などに細分される。理論的には量子力学統計力学を基礎とする。最も活発に研究されている物理学の分野の1つであって,その成果がただちに工学工業に応用されているものも多い。

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世界大百科事典 第2版の解説

物性物理学とは,物質に関する基礎科学を意味し,物性論ということばもよく用いられる。物質の示す熱的な性質,弾性や塑性などの力学的性質,電気的あるいは磁気的性質,光学的性質などを総称して物性といい,物質の物性に関する物理学を研究する学問分野が物性物理学である。対象とする課題は幅広く,またその分野は化学,工学などとも連続して範囲を明確に規定することはむずかしいが,大きくみて固体物理学化学物理学を包含したものということができよう。

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大辞林 第三版の解説

物質の巨視的な性質を原子論的な立場から研究する物理学の部門。日本だけで用いられる語。狭義には固体物理学と同義であるが、広義には固体物理学・物理化学などを含み、金属・非金属の結晶・液体・気体など種々の状態にある物質の構造とその力学的・熱的・電気的・磁気的・光学的性質を実験的・理論的に研究する多くの分野がある。理論的には量子力学と統計力学をその基礎とする。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 物質の性質を研究する物理学の一部門。原子、分子あるいはこれらが集まってできる物質、たとえば金属または化合物結晶・液体・気体などの物質の原子的な構造と性質を微視的な立場から明らかにすることを目的とする。

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化学辞典 第2版の解説

物質の巨視的な性質について,微視的な原子・分子の立場から研究を進める学問をいう.物理学は普通,原子・分子からさらに小さい基本的粒子へと研究を進めていく,いわゆる原子核・素粒子論と,その逆の方向に研究を進める物性物理学の二つに大別される.後者は1950年ころまでは物性論といわれてきたが,その内容がいちじるしく豊富になった今日,物性物理学とよばれるようになった.外国語にはこれにあたる適切なことばがない.最近,アメリカで使われていることばmaterial scienceの内容がそれに近い.物質の構造,またその力学的,熱的,電気的,磁気的諸性質は,理論的・実験的に多数の分野に分かれて研究がなされている.理論的研究の面では,量子力学統計力学が基礎になっている.実験的研究では,電磁波と物質との相互作用に対する光学的測定,広範囲にわたる温度領域・圧力領域・磁場領域に対する物質の諸性質の測定,電子線・中性子線回折や照射効果の測定などきわめて多種多様である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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