1980年12月施行の改正以前の旧外国為替管理法(外国為替及び外国貿易管理法)のもとで,非居住者が保有する円のうち,米ドルや英ポンドなどの外貨に自由な交換が認められる円を自由円,またその預金勘定を非居住者自由円勘定と呼んだ。1960年7月,為替自由化の一環として設けられた。この自由円勘定に対し,旧外国為替管理令5条に基づき,勘定残高の一部について外貨への交換が認められる〈5条円〉という非居住者円勘定がある。非居住者が合法的に取得した日本の公社債など(円払証券)の元本償還金・処分代金,日本から永住の目的で出国した者が出国前日本で所有していた現金などがこの勘定に預入れされ,そこからの払出しは原則として各年末残高の30%または72万円のいずれか多いほうの金額を限度としてそれを外国へ送金する場合に認められていた(1977年6月廃止)。1980年12月施行の外国為替管理法改正に伴い,自由円は非居住者円と改称され,その預金勘定も非居住者円預金勘定と改められた。
→為替管理
執筆者:河西 宏之
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外貨に自由に交換できる円、つまり交換可能円のこと。わが国では為替(かわせ)自由化の一環として、1960年(昭和35)7月1日から外国人(非居住者)に自由円勘定を開設することを認めた。この非居住者自由円勘定に入金が認められる円は、非居住者が外貨を為替銀行に売却して得た円、ならびに外貨決済が認められた取引に伴って非居住者が外貨受領のかわりに受領した円である。この措置により円は対外決済に使用できる指定通貨となり、円為替導入への道が開かれた。すなわち、非居住者は日本の外国為替公認銀行に自由円勘定を開設し、輸出入取引などの実需に円為替を使用できるほか、裁定取引などの金融取引にも円為替を利用できるようになった。なお、非居住者自由円勘定は、1980年12月の「外国為替及び外国貿易管理法」の改正とともに非居住者円勘定に一本化され、円の国際化の進展が図られた。
[土屋六郎]
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