自閉(読み)じへい(英語表記)autism

翻訳|autism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

自閉
じへい
autism

外界の刺激を拒否したり,無視しようとしたり,ある場合は申しわけ程度の反応を示すだけで,自分だけの生活に沈潜する状態をいう。スイスの精神病理学者のユージン・ブロイラー (1857~1939) が提唱したもの。気質に関係があり,正常な人でもその傾向を示すことがあり,分裂性気質や統合失調症の人の場合には,顕著に認められることが多い。また自閉児のように,環境が潜在している気質に働いて自閉現象を起こすことを,一部の学者は指摘している。狭義には幼児自閉症をさすことばとして用いられる。

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世界大百科事典 第2版の解説

じへい【自閉 autism】

外的現実から遊離して内的生活が優位となり,空想的思考や妄想の中で生きている状態。E.ブロイラーが精神分裂病者の心的生活の基本的特徴として述べた概念である。さらにE.ミンコフスキーは,自閉を〈豊かな自閉autisme riche〉と〈貧しい自閉autisme pauvre〉とに分け,内的に妄想の活発な自閉が前者であるのに対し,内的には空虚で,一見現実との接触を保っているようでいて真の意味のかかわりのないものが後者であり,いずれにも〈現実との生ける接触の喪失〉があることを指摘している。

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精選版 日本国語大辞典の解説

じ‐へい【自閉】

〘名〙 統合失調症患者にみられる主症状の一つ。対人交渉を極力避け、願望や苦悩などを心に抱いたまま自分だけの世界に生きている状態。

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世界大百科事典内の自閉の言及

【精神分裂病】より

…現存在分析を創始したスイスの精神医学者ビンスワンガーの主著で,1957年に単行本の形で刊行された。5例の精神分裂病のくわしい症例研究からなるが,30年代に著者が独自の人間学的方法を確立したのち,数十年にわたる臨床活動の総決算として44年から53年にかけて集成したもの。ここでは,分裂病は人間存在に異質な病態としてではなく,人間から人間へ,現存在から現存在への自由な交わりをとおして現れる特有な世界内のあり方として記述される。…

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