色川武大(読み)イロカワタケヒロ

デジタル大辞泉 「色川武大」の意味・読み・例文・類語

いろかわ‐たけひろ〔いろかは‐〕【色川武大】

[1929~1989]小説家東京の生まれ。阿佐田あさだ哲也のペンネーム麻雀小説を執筆。その後、本名で発表した「離婚」で直木賞受賞。純文学と娯楽文学の両方を手がけて「戦後無頼派」と評された。他に「怪しい来客簿」「」「狂人日記」など。いろかわぶだい。

いろかわ‐ぶだい〔いろかは‐〕【色川武大】

いろかわたけひろ(色川武大)

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20世紀日本人名事典 「色川武大」の解説

色川 武大
イロカワ タケヒロ

昭和・平成期の小説家



生年
昭和4(1929)年3月28日

没年
平成1(1989)年4月10日

出生地
東京・神楽坂

別名
筆名=阿佐田 哲也(アサダ テツヤ),井上 志摩夫(イノウエ シマオ)

学歴〔年〕
東京市立三中中退

主な受賞名〔年〕
中央公論新人賞(第6回)〔昭和36年〕「黒い布」,泉鏡花文学賞(第5回)〔昭和52年〕「怪しい来客簿」,直木賞(第79回)〔昭和53年〕「離婚」,川端康成文学賞(第9回)〔昭和57年〕「百」,読売文学賞(第40回・小説賞)〔平成1年〕「狂人日記」

経歴
中学時代に麻雀を覚え、勤労工場時代に腕をみがき、終戦の17歳の時から本格的に麻雀打ちの道に入る。その後「小説クラブ」の編集者となる。昭和36年「黒い布」で中央公論新人賞を受賞するが、その後低迷。43年阿佐田哲也の筆名で「週刊大衆」に書き続けた麻雀小説が大ヒットし、“麻雀の神様”と呼ばれ、なかでも「麻雀放浪記」は麻雀小説の古典といわれ、大ロングセラーをつづける。麻雀小説、芸人小説で大衆作家としての地歩を固めた後、52年に本名の色川武大で発表した連作「怪しい来客簿」で泉鏡花文学賞、53年に「離婚」で直木賞、57年には「百」で川端康成文学賞を受賞。また、難病ナルコレプシーに悩まされ続けた体験にもとづく長編「狂人日記」で、平成元年読売文学賞を受賞。映画、ジャズ演芸に精通しその分野のエッセイも数多い。9年若い頃のペンネーム“井上志摩夫”の名で書いた遺稿が単行本化される。「色川武大阿佐田哲也全集」(全16巻 福武書店)がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「色川武大」の意味・わかりやすい解説

色川武大(いろかわたけひろ)
いろかわたけひろ
(1929―1989)

小説家。東京都生まれ。東京府立第三中学校を中退。戦後、放浪と無頼の生活を送った後、雑誌編集者などを経て文筆生活に入る。1961年(昭和36)退役軍人の父と息子との葛藤(かっとう)を描いた自伝的な小説『黒い布』で中央公論新人賞を受賞。1977年『怪しい来客簿』で泉鏡花賞、1978年『離婚』で直木賞を受賞した。1982年父子関係を描いた短編『百』で川端康成(かわばたやすなり)賞、1988年『狂人日記』で読売文学賞を受賞。その間一時期、阿佐田哲也のペンネームで『麻雀放浪記(マージャンほうろうき)』など多くの麻雀小説を手がけた。私小説を中心とした純文学と娯楽小説を書き分け、戦後無頼派の生き残りという特異な存在であった。1989年4月10日没。

[編集部]


色川武大(いろかわぶだい)
いろかわぶだい

色川武大

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「色川武大」の解説

色川武大 いろかわ-たけひろ

1929-1989 昭和時代後期の小説家。
昭和4年3月28日生まれ。転職をかさねながら無頼の日々をおくる。昭和36年「黒い布」で文壇にデビュー。52年「怪しい来客簿」で泉鏡花文学賞,53年「離婚」で直木賞,平成元年「狂人日記」で読売文学賞。また阿佐田哲也の筆名で「麻雀(マージヤン)放浪記」などのギャンブル小説をかいた。平成元年4月10日死去。60歳。東京出身。
【格言など】勝負の世界に生き抜くには,自分のスタイルを保持しなければならない

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367日誕生日大事典 「色川武大」の解説

色川 武大 (いろかわ たけひろ)

生年月日:1929年3月28日
昭和時代の小説家
1989年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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