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荘園絵図 しょうえんえず

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百科事典マイペディアの解説

荘園絵図【しょうえんえず】

古代・中世の荘園の位置・景観・境界・耕地などを絵画的に表現した絵図。荘園を立荘した際に立券図,開墾した際に開墾図,境界相論の際に証拠書類として相論図などが作成された。
→関連項目【ぼう】示

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうえんえず【荘園絵図】

田図の一種。荘園の位置,景観,境界,耕地,施設などを絵画的に表現した古代・中世の地図。作成の意図,地形・地物,画師の技量などによって図様は一定しない。単なる平面図のようなものもあるが,なんらかの絵画的表現が加味され,必要な文字が記入されているものが多い。彩色を施したものや白描風のもの(白図)がある。平地部は平面図ないし鳥瞰(ちようかん)図に近い表現をとるが,複雑な地形が描写の対象となった場合,全体を一点の高所から見た鳥瞰図様に描いたものと,視点を移動させ,複合的な景観図様に描いたものと,二様に大別できる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

荘園絵図
しょうえんえず

荘園の立荘、堺相論(さかいそうろん)をはじめ所領に関する係争、実検などに際して作成された地図。厳密には彩色を有するものをいうが、一般には墨書のみの場合も付属図として含む。奈良時代、律令(りつりょう)国家の開墾奨励策に伴い、中央貴族・寺社による墾田開発が進められたが、その際に作成された墾田図(開田図)をもって先駆とする。平安時代、荘園が不輸不入の特権を獲得していくに伴い、その支配領域の表示として四至(しいしぼうじ)図(立券絵図)が出現した。鎌倉時代になると、荘園間あるいは荘園・国衙(こくが)領間での境界をめぐる係争が頻発し、さらには荘園領主・地頭(じとう)間の相論も絶えず発生したが、その結果作成されたのが堺相論図、下地中分(したじちゅうぶん)図である。また、実検図・土帳(どちょう)とよばれ、荘園の収取の円滑さを図るため実検が行われた際に作成されたものもある。南北朝・室町時代以後、荘園が解体し郷村(ごうそん)へと推移していくなかで、郷村内部の様相を描いた郷村絵図が登場してくる。また、鎌倉時代後半から、用水など荘園経営のための諸施設を描いた差図(さしず)が作成されるようになったが、郷村の展開とともに灌漑(かんがい)用水の利用権に関する絵図が多くみられるようになり、灌漑図ともよばれる。荘園絵図は、荘園村落の景観復原に有効であるばかりでなく、政治図、経済図としての性格を有していることから、荘園支配のあり方をはじめ、技術、荘民の生活や信仰などの多くの問題解明の手掛りを含むものである。[樋口州男]
『荘園研究会編『荘園絵図の基礎的研究』(1973・三一書房) ▽竹内理三編『荘園絵図研究』(1982・東京堂出版)』

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