〈のざき〉〈はつお〉〈はつに〉ともいい,律令制下で当年の調庸の初荷から,山陵等の供献用に納入時に前もって抜き取り別置した初物のことをいう。平安時代以後この荷前の繊維製品(荷前の幣)を,年末に,時代によって変遷があるが,天智・光仁・桓武・崇道・仁明・光孝・醍醐各陵や藤原鎌足墓をはじめとする特定の陵墓へ頒け献ずるようになり,これを荷前という。荷前の幣には諸陵墓へ各陵墓の預人を使者として献ずる常幣と,常幣のほかに近陵と近墓へ荷前使(のさきのつかい)を分遣して献ずる別貢幣とがあり,常幣は陰陽寮が占って定めた12月吉日に,参議以上の者が大蔵省に出向いて授け,別貢幣は常幣と同じ日に,天皇が建礼門前へ出御し大臣以下列席して授けた。荷前使は長官,次官,内舎人,内豎,大舎人,駕輿丁(かよちよう)等で構成され,中には役目を闕怠(けたい)する者があったので,《延喜式》には闕怠者の罰則を設けている。しかし時代が降るにつれ,使者は発遣されても陵所まで行かなくなり,1350年(正平5・観応1)には荷前使の発遣もできなくなった。
→陵墓
執筆者:石田 茂輔
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