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蛇婿入り ヘビムコイリ

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デジタル大辞泉の解説

へび‐むこいり【蛇婿入り】

異類婚姻譚の一。蛇が男性に化けて娘の所に毎晩通って来るというもの。

出典|小学館
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世界大百科事典 第2版の解説

へびむこいり【蛇婿入り】

蛇が男になって人間の娘に求婚するという内容をもつ,異類婚姻譚に属する昔話群の総称。蛇婿入譚は内容から〈苧環(おだまき)型〉〈水乞(みずこい)型〉〈蛙報恩型〉に大別される。〈苧環型〉は,夜中に娘のところ見知らぬ若い男が通ってくるのを怪しんだ親が,男の着物に糸を通した針を刺させ,男が帰ったあとその糸をたどっていったところ蛇のすみかに至り,そこで蛇の親子の会話を立ち聞きして娘に宿った蛇の子を堕(おろ)す方法を知る,というものである。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

蛇婿入り
へびむこいり

異類婚姻譚(たん)に属する昔話。苧環(おだまき)型と水乞(みずご)い型に分類される。苧環型は、娘のもとに毎夜男が通ってくる。不審に思った母親が男の着物の裾(すそ)に糸を通した針を刺させる。翌朝、糸をたどっていくと、洞穴の中で針の毒にあたった蛇が苦しんでいる。そこで、娘が蛇の子を宿したこと、その下ろし方などを聞き知る。そして、娘は、3月3日の桃酒を飲む、または5月5日の菖蒲(しょうぶ)湯に入って蛇の子種を下ろすというもので、話の結末で節供の由来を説く例が多い。この系統の話は『古事記』をはじめ「風土記(ふどき)」や『流布本平家物語』などにみえ、記録のうえからも変遷をたどることが可能である。生まれてくる子供が越後(えちご)の五十嵐(いがらし)小文治や豊後(ぶんご)の緒方三郎のように、一族の始祖として活躍する英雄誕生に結び付いて説かれる話もあり、発生的にはこのほうが古い形を残していると考えられている。一方、水乞い型は、干魃(かんばつ)に悩む父親が、田に水を入れてくれた蛇に3人娘の1人を嫁にやる約束をする。末娘が針千本と瓢箪(ひょうたん)を持って蛇について行き、池に瓢箪と針を投げ入れて、蛇にそれを沈めれば嫁になるという。蛇は沈めようとするが体に針が刺さり死亡する。この話は、古くから水界を支配する蛇の信仰を色濃く残存している。また、少数だが、蛇を殺さず娘がそのまま蛇の嫁になる例が青森県や石川県から報告されている。水乞い型は、これとよく似た「猿婿入り」の昔話に影響を及ぼしているとみられる。[野村純一]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の蛇婿入りの言及

【池の精】より

…ところが,キリスト教の伝来と共に,人間を取る悪霊とされ,恐れられるようになった。日本の〈猿婿〉〈蛇婿入り〉では田に水を入れたお礼に娘が要求され,この話の前半部に相当するところで終わる。その後に配偶者探しがあるところがヨーロッパの類話の特徴であるが,娘を要求するのが動物である点,日本の方が古い形をとどめていると思われる。…

【針】より

…【村下 重夫】
【民俗】

[日本]
 針は裁縫道具であるだけでなく,呪具でもあった。三輪山伝説蛇婿入り(へびむこいり)の昔話では,女のもとに訪れた男の正体を探るために男の衣服に糸をつけた針を刺してあとをつけるというモティーフが見られ,また猿婿入り(さるむこいり)の昔話では猿のもとに嫁ぐことになった末娘が瓢簞(ひようたん)と針で猿を退治する話になっている。針は布など別のものを縫い合わせて結びつけ,以前とは異なった新しいものを作り上げる機能をもつが,蛇婿入り譚では鍵穴や障子といういわばこの世と異界の境をこえて二つの世界を結びつけており,また,猿婿入り譚では川や橋というやはり顕幽の境をなす場所で金属の呪力をもつ針と霊魂の容器である瓢簞とで異類聟を退治している。…

※「蛇婿入り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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