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衣装人形 イショウニンギョウ

デジタル大辞泉の解説

いしょう‐にんぎょう〔イシヤウニンギヤウ〕【衣装人形】

衣装をつけた人形。主に江戸時代に作られたもので、俳優・遊女などをかたどった。押し絵のものと木彫りの人形に衣装を着せたものとがある。浮世人形。着付け人形。

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世界大百科事典 第2版の解説

いしょうにんぎょう【衣装人形】

頭,手足などは木彫または練物(おがくずにのりを加えて固め,型に入れてつくったもの)で仕上げ,胴体には木,わら,紙などを用い,これにきれ地の衣装を着せた人形。江戸初期から発達し,浮世絵と同じくその当時の風俗を題材として若衆,遊女などの人形が多い。浮世人形とも呼ばれた。《雍州府志(ようしゆうふし)》(1686)には,小さなものは芥子(けし)人形といったとある。木彫人形に絹布を着せたのでこの名が生まれたという。

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大辞林 第三版の解説

いしょうにんぎょう【衣装人形】

主として江戸時代に作られた人形。衣装をつけた人形で、押し絵と木彫りに衣装を着せたものとの二種がある。多くは婦女・若衆・俳優・遊女などの風俗をかたどっている。浮世人形。着付け人形。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

衣装人形
いしょうにんぎょう

江戸時代初期から発達した裂地(きれじ)の衣装を着せた人形。浮世絵などと同じように、当時の風俗を映して、若衆、遊女などを人形化したものが多い。浮世人形ともよばれた。1686年(貞享3)刊の『雍州府志(ようしゅうふし)』には、京土産に衣装人形があげられており、これは木彫りで男女老少の形をつくり、衣装を着せたものと記している。木彫り彩色の人形に絹布を着せたので衣装人形の名が生まれたという。着せ替えのできるものもある。普通は頭や手足などの部分を木彫りかまたは練り物でつくり、胡粉(ごふん)彩色で仕上げ、胴体は木、藁(わら)、紙などでつくり、これに衣装を部分的に着付けたもので、「着付け人形」といい着せ替えはできない。江戸中期ごろには製作技法も発達し、家庭で愛玩(あいがん)されるほか、作品にも海外風俗を人形化した唐子(からこ)物などの自由な表現が喜ばれ、大名家の贈答品としても用いられた。明治以後も製作され、東京、京都、名古屋が主産地になっているが、京都産のものを京人形とよんでいる。現在では、衣装を着せポーズを固定させている人形を衣装人形の名でよんでおり、布製のマスクを用いたフランス人形式の新製法によるものも、これに含まれている。なお、1986年(昭和61)に、野口園生(そのお)が衣装人形の創作活動によって国の重要無形文化財保持者に指定された。[斎藤良輔]

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世界大百科事典内の衣装人形の言及

【押絵】より

…《人倫訓蒙図彙》には〈衣裳人形。諸(もろもろ)の織物をもて,ゑを切抜(きりぬき),これをつくる〉とあり,衣装人形とか衣装絵ともよばれていたが,江戸時代中期には押絵とよばれるようになった。雛祭が盛んになるにつれて,押絵で雛をつくり,竹串で台座に立たせる押絵雛などが東北や信州地方に現れ,現在もその名ごりが見られる。…

【人形】より

…(c)人形の玩具には,前掲の指遣人形や糸操りの玩具化したもの,人形に竹の柄をつけて糸で操る管(くだ)人形(または糸引人形),飛んだり跳ねたりの飛び人形,人形をのせた台に装置した笛を吹けば動く笛人形,うちわであおいで走らせる車乗りの弥五郎人形,水上を走る浮人形,長いさおを持って平衡を保ちつつ倒れ落ちそうで落ちない張合い人形(弥次郎兵衛),米つき人形,相撲人形などがある。(5)観賞用人形 おとなの愛玩した美術的な人形としては衣装人形があげられる。頭や手足はたいてい木彫に胡粉を塗り,毛髪を植え,衣装を着せる。…

※「衣装人形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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