西中村(読み)にしなかむら

日本歴史地名大系 「西中村」の解説

西中村
にしなかむら

[現在地名]山陽町西中

すな川右岸に位置する倉敷往来筋の村。川原かわら村の北の平地部に立地。貞治三年(一三六四)二月三日の葛木氏子孫掟書(黄薇古簡集)にみえる鳥取ととり庄中村にあたるとされる。貞和五年(一三四九)九月一五日には同庄のうち中村が光明院に譲られている(「光厳上皇所領処分状」中村直勝氏蒐収古文書)。中村は天正三年(一五七五)額田氏に安堵された(同年五月三日「浦上宗景安堵状」額田文書)。近世初頭、宇喜多氏の家臣宇喜多河内守・遠藤内蔵助・遠藤修理亮がこの地に拠っていたといわれ(遠藤文書)宗慶そうけい池は遠藤修理亮の築造と伝える。


西中村
にしなかむら

[現在地名]砺波市西中、小矢部おやべ市西中

狐島きつねじま村の西にあり、北は下中しもなか村、西は金屋本江かなやほんごう(現小矢部市)など。近世初めまでは中村なかむら川が南から北へ縦断して流れていた。元和五年(一六一九)の家高新帳に西中村とあり、高木組に属し役家数二〇。正保四郡高付帳では高九二二石余、新田高五五二石余。この高は正保郷帳付箋では宮森新みやもりしん村・西中村と一括されて田方六〇町四反余・畑方一町、新田分は田方三五町八反余・畑方一町余となっている。


西中村
にしなかむら

[現在地名]相良町すげ

堀之内ほりのうち村の北西に位置し、東は東中村。村内を菅ヶ谷川が東流する。南北朝期には相良庄に属し、東中村とともに中村と称した(年月日未詳「平田寺領坪付」平田寺文書)。文禄二年検地高目録に西中村とみえ、高一〇六石余。正保二年(一六四五)幕府直轄領から掛川藩預となる(掛川預一万石郷村覚)。正保郷帳では田方一二九石余・畑方九石余、掛川藩預、ほかに龍泉寺(現臨済宗妙心寺派蔵泉寺か)領一石五斗・春日大明神領一石がある。


西中村
にしなかむら

[現在地名]三木市口吉川町西中くちよかわちようにしなか

馬場ばば村の北西、美嚢みの川中流の吉川よかわ谷入口付近に位置する。北は加東かとう蔵之谷くらのたに(現東条町)。慶長国絵図に村名がみえる。初め姫路藩領、元和三年(一六一七)明石藩領となるが、寛永九年(一六三二)に上知されたとみられる(「寛政重修諸家譜」など)。正保郷帳では幕府領で、田方二五三石余・畑方四五石余。元禄郷帳では高三二三石余。旧高旧領取調帳では旗本一柳領。文政一二年(一八二九)当村の木梨孫兵衛は池野組大庄屋仮役を命ぜられている(同一三年「三木切手会所諸事控」黒田家文書)


西中村
にしなかむら

[現在地名]氷上町西中

葛野かどの川を挟んで上成松あげなりまつ村の東にある。東端を佐治さじ(加古川)が流れ、北は高岡たかおか(現甲賀山)、南は犬岡いぬおか(現明治山)。延宝二年(一六七四)に上成松村より分村して成立、小野宗左衛門の知行とされる(明治六年「届書」正福寺文書)。「成松町誌」は元禄八年(一六九五)の成立とする。「丹波志」では上成松村の枝村とされ家数七〇余、近江山上藩領。


西中村
にしなかむら

[現在地名]白水村中松なかまつ

白川右岸から阿蘇山南麓にかけて村域が広がり、東は上中かみなか村、西はまつ村・下中しもなか村に接する。近世は高森手永に属し、上中村からの分村で、「南郷事蹟考」に西上中村として高六五一石余とあり、原・芹川せりかわ・芝原・みねなどの小村が記される。


西中村
にしなかむら

[現在地名]加古川志方町西中しかたちようにしなか

西飯坂にしいいざか村の南に位置し、南部を善念ぜんねん川が流れ、北部に大藤おおふじ山がある。慶長国絵図に村名がみえる。正保郷帳では田方三六四石余・畑方九石余。宝永二年(一七〇五)の村明細帳(原家文書)によれば田二〇町六反余・分米三五四石余、畑一町八反余・分米一四石余、ほかに永引七六石、新田畑二町九反余・分米一三石余、小物成は口米・夫米・犬米・柿渋・草藁銀、家数四二(本百姓三二・水呑一〇)・人数三二八、牛一四、溜池六(奥の池・こも池・下之池・中ノ池・上ノ池・徳之池)


西中村
にしなかむら

[現在地名]入善町西中

黒部川右岸段丘上の舟見野ふなみの一六ヵ村の一つで、北は中村、南は愛本新あいもとしん(現宇奈月町)、西は段丘でその下に下山にざやま村が広がる。明暦年間(一六五五―五八)黒部川から取入れた用水を当村まで引入れ、舟見野台地を灌漑しようとした。しかしこの用水路の維持は容易でなく、西中の神明社にはその間の労苦を記す扁額が残る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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