入善町(読み)にゆうぜんまち

日本歴史地名大系 「入善町」の解説

入善町
にゆうぜんまち

面積:七一・二九平方キロ

県東部に位置し、東は朝日あさひ町、南は宇奈月うなづき町、西は黒部市に接し、北は日本海に面する。南部の舟見ふなみに若干の山林があるが、大部分は黒部川のつくった扇状地である。古くは町域一帯を黒部川が乱流し、田畑はしばしば洪水の被害を受けた。現在では黒部川の治水が進み、一面水田が広がり、早場米の産地として知られる。東西にJR北陸本線と国道八号が走り、JR線には入善駅と西入善駅がある。

海岸にあるじょうべのま遺跡(国指定史跡)は昭和五四年(一九七九)から数年にわたり調査が行われ、数回にわたって建替えられた建物遺構などが見つかり、「西庄」銘(六点)の墨書土器や「丈部吉椎丸上白米五斗」と記される木簡などが出土している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「入善町」の意味・わかりやすい解説

入善〔町〕
にゅうぜん

富山県北東部,黒部川扇状地にある町。 1953年入善町 (1889年町制) と上原,青木飯野 (いいの) ,小摺戸 (こすりど) ,新屋 (あらや) ,椚山 (くぬぎやま) ,横山の7村と合体して成立。 59年舟見 (ふなみ) 町を編入。北は日本海に面する。中心地区の入善は北陸道宿駅として発達。紡績,電機,機械部品などの工場があり,機械工業センターが立地。扇状地面は広く流水客土が行われた水田地帯。また,特産の黒部すいか,水田裏作にチューリップの球根栽培が盛ん。半円状の扇状地末端の海岸線は海岸浸食が激しく,芦崎は漁港北洋への出漁者が多い。海岸線に平行して JR北陸本線,国道8号線が通る。北東部の春日より南北に伸びるスギ林があり,なかでも杉沢の沢スギは天然記念物。田中には入善荘の屯倉 (みやけ) 跡といわれる史跡じょうべのま遺跡がある。面積 71.25km2。人口 2万3839(2020)。

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