日本大百科全書(ニッポニカ) 「西日本旅客鉄道」の意味・わかりやすい解説
西日本旅客鉄道(株)
にしにほんりょかくてつどう
日本国有鉄道(国鉄)が分割・民営化したことにより、1987年(昭和62)4月に発足した旅客鉄道会社の一つ。略称、JR西日本。英語名はWest Japan Railway Company、略称はJR West。JR本州3社(JR東日本、JR東海、JR西日本)に含まれる。1996年(平成8)に株式上場し、2004年(平成16)に完全民営化した。資本金は1000億円である。本社は大阪市北区。近畿地方(三重県を除く)、北陸3県、中国地方を中心に鉄道網をもち、JR東日本に次ぐ営業路線規模である。鉄道収入の割合は約60%で、経営多角化で収益をあげている。山陽新幹線(新大阪―博多間)、北陸新幹線(上越妙高(じょうえつみょうこう)―金沢間)と在来線を運行。北陸新幹線の金沢からの延伸は福井―敦賀(つるが)までは確定しており、敦賀からの延伸は「小浜(おばま)・京都ルート」案等がある。
JR西日本では、2005年に福知山(ふくちやま)線脱線事故(死者107人、負傷者562人)といった重大事故や、2017年に新幹線の台車に亀裂が発見されたという新幹線史上初の「重大インシデント」が発生しており、安全面の確保が強く要請されている。また可部(かべ)線の一部区間廃止とその後2017年の再開業(JRで廃止路線の復活は初)や、2018年の三江(さんこう)線の廃止(本州3社での100キロメートルを超える路線の全面廃線は初)が大きなインパクトを与えた。
[土居靖範 2018年7月20日]