西脇(市)(読み)にしわき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「西脇(市)」の意味・わかりやすい解説

西脇(市)
にしわき

兵庫県中央部やや南寄りにある機業都市。1952年(昭和27)多可郡西脇町と日野、重春(しげはる)、比延庄(ひえしょう)の3村が合併して市制施行。1954年芳田(ほうた)村を編入。2005年(平成17)多可郡黒田庄町(くろだしょうちょう)を合併。JR加古川線、国道175号、427号が通じる。加古川とその支流杉原(すぎはら)川が合流する沖積地が市の中心で、周囲は丘陵地、山地である。播州織(ばんしゅうおり)の産地として知られるが、1792年(寛政4)に比延庄村の飛田安兵衛が京都西陣織の技術を持ち帰り、杉原川の良質の水を利用して始めたといわれる。昭和初期には東南アジアを中心に輸出が進んで躍進を遂げ、第二次世界大戦後はアメリカなど先進諸国にも市場を拡大した。播州織の産地は加西(かさい)、小野の両市や旧中町(現、多可町)、旧黒田庄町など広範囲にわたるが、西脇市はその中心的位置にある。そのほか、釣り針の生産でも知られる。岡の山公園には飛田安兵衛の頌徳碑(しょうとくひ)が立ち、機殿(はたどの)神社では毎年「織物感謝祭」が行われる。面積132.44平方キロメートル、人口3万8673(2020)。

[二木敏篤]

『『西脇市史』全2巻(1976~1983・西脇市)』


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