翻訳|thalamus
視床は中脳の前方で間脳に属し,第三脳室背側部の両側に位置する卵形の構造で,背側視床ともいう。この部の背側方は大脳半球に,また腹側方は視床下部におおわれている。内部構造は複雑で,多数の細胞集団から構成されていて,それらは視床内での位置や大脳皮質および下位の構造との結合,さらに機能の違いによって分類される。視床では,嗅覚(きゆうかく)を除く他のすべての感覚情報が大脳皮質に至る前に,いったんは必ず中継され,この部で部分的に変換されて大脳皮質に送られる。したがって視床は,一義的には感覚情報の大脳皮質へ至る前の中継部ということができるが,それだけにとどまらず,運動情報や情動に関与する辺縁系からの情報も受け入れ,大脳皮質との共同作業によって,それらの情報の分別,総合の働きを行っている。
→間脳
執筆者:川村 祥介
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…脊椎動物の脳の一部。視床脳ともいう。ヒトを含めて脊椎動物の間脳は,その形成の過程や基本的な構造は同じである。…
…朦朧(もうろう)状態を起こす精神運動発作では側頭葉に棘波が現れる。発作的に片頭痛,苦悶感,心悸亢進などを訴える視床下部性癲癇では,頭頂部,後頭部に6Hzまたは14Hzの陽性棘波がみられる。脳腫瘍,頭部外傷,脳出血などでは,局在性のδ波が覚醒時にみられる。…
※「視床」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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