SECと呼ぶことも多く,またアメリカ証券取引委員会と訳すこともある。アメリカ政府の独立機関で,投資家保護のため証券市場を発行・流通両面にわたり規制する強大な権限をもつ。1934年証券取引所法4条により同年7月に設置された。同法と1933年証券法のほか,1935年公益事業持株会社法,1940年投資会社法,1940年投資顧問法,1970年証券投資者保護法なども所管している。大統領が上院の勧告と承認を得て任命する5人の委員で構成され,任期は5年間で毎年6月に1人ずつ改選される。委員会は職務を遂行するため弁護士,会計士その他の専門家を含む多数の職員を擁し,全国にニューヨークをはじめ九つの地方局,さらに六つの支局を設けている。1933年以前には連邦による証券規制はほとんどなく,規制は各州によって行われていた。しかし1929年世界恐慌の発端となったアメリカ証券市場の株価大暴落は投資家に多くの損害を与えたため,証券市場に対する非難が高まり,連邦政府による統一的な証券規制が必要と考えられるようになった。そこで33年に銀行法を改正して証券と銀行を分離するとともに,連邦証券関係法が制定された。1933年証券法は投資家保護の観点から,公衆に対し募集または売出しが行われる証券についてあらゆる事実を完全かつ正確に公開させ,詐欺的行為を防止することを目的としている。また1934年証券取引法は公正な価格形成・証券売買を目的として,証券取引所および場外の取引を規制し,監督官庁として証券取引委員会の設立を定めたものである。その後これらの法律は幾度か改正され,さらに新たな法律が制定されて,証券市場の根幹をなす法体系が整備されるとともに,証券取引委員会の権限が拡充強化されてきた。なお日本でも92年から証券取引等監視委員会が創設されている。
執筆者:戸田 周作
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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