証券投資信託(読み)しょうけんとうししんたく(英語表記)securities investment trust

精選版 日本国語大辞典 「証券投資信託」の意味・読み・例文・類語

しょうけんとうし‐しんたく【証券投資信託】

  1. 〘 名詞 〙 一般投資者から集めた資金を、専門家株式公社債などの有価証券に投資・運用し、投資者に利益を分配する制度。昭和二六年(一九五一)に制定された証券投資信託法に準拠する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「証券投資信託」の意味・わかりやすい解説

証券投資信託
しょうけんとうししんたく
securities investment trust

有価証券投資の専門家が不特定多数の小口の投資家から資金を集めて,これを株式や公社債に分散投資し,その運用収益を投資家に還元するもの。1868年イギリスで創設され,アメリカ合衆国で本格的に発展した。アメリカとイギリスに存在する投資信託を,機構から大別すれば,契約型投資信託と会社型投資信託の 2種類,管理運営面から大別すれば,クローズド=エンド型とオープン=エンド型の 2種類となる。契約型は,委託者(運用者),受託者(信託銀行),受益者(投資家)の 3者の信託契約によって構成されるものであり,会社型は,投資信託自体が株式会社で,投資家は株主となるもの。クローズド=エンド型は,解約・買い戻しに応じないもの(換金証券市場での売却による)であり,オープン=エンド型は,解約・買い戻しに応じるもので,今日では後者主流となっている。会社型クローズド=エンド型の典型はイギリスのインベストメント・トラストで,会社型オープン=エンド型の典型はアメリカのミューチュアル・ファンド。また,契約型オープン=エンド型にはイギリスのユニット・トラストや日本の投資信託がある。日本の投資信託には会社型はなく,すべて契約型である。日本では 1941年に投資信託が創設され,1951年の証券投資信託法の成立以降,本格的に発展した。

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百科事典マイペディア 「証券投資信託」の意味・わかりやすい解説

証券投資信託【しょうけんとうししんたく】

委託会社受益証券を売り出して金銭を集め,特定の有価証券に投資として運用する信託。現行制度は証券投資信託法(1951年)に基づくもので,委託会社が運用責任をもち,受託会社(信託会社)はその指示により投資と管理を行う。元本保証はなく実績配当主義。会社型と契約型に大別されるが,従来はすべて後者で,これにはオープン型投資信託ユニット型投資信託の2種がある。1998年12月から信託財産を保有する会社の株式を購入するという会社型も解禁された。→投資信託
→関連項目公社債投資信託信託

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世界大百科事典(旧版)内の証券投資信託の言及

【信託】より

… 担保付社債信託法による担保付社債信託は信託会社が社債の担保権を保有して社債権者の保護を図る制度で,1905年に外資導入をねらって採用され,以後社債発行の制度として定着した。証券投資信託(投資信託)は証券投資信託法に基づく制度で,証券投資信託委託会社が委託者となり,信託銀行を受託者とする信託であるが,国債発行が増加して国債組入れのファンドが増えるにつれて受託も増加している。 信託業務はほとんどが私益信託であるが,社会公共へのサービスを供与する信託として公益信託がある。…

【投資信託】より

…危険分散を本旨とする投資信託と,個別銘柄へ直接投資することとの大きな相違であり,投資信託の特徴といえる。
[証券投資信託法]
 日本の投資信託は,証券投資信託法(1951公布)という法律を根拠としている。この法律の定義によれば〈証券投資信託とは,信託財産を委託者の指図に基づいて……〉とあり,したがって投資信託は正確には〈証券投資信託〉ということになるが,一般的に〈投資信託〉で通用している。…

※「証券投資信託」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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